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適性・事故・運転の心理学
【2003/01/14】【 最終回】
<本日の講義内容>
心理適性要因の明確化
助言指導法の確立
次回テストのため、シラバスの内容が一回分繰り上がります。
心理適性要因の明確化
運転事故を起こす際の個人の心理状態を、事前により詳しく把握しておくため、
考えられたシステム。
・免許適性(視力、心身の健常)
・心理適性(心のはたらき、性格、安全に対する考え方)
・速度見越検査等の考案と検査づくり
抽出された適性要因(事故特性)
→検査の測る特性が適性要因である
1.軽率 ・・・ 「動作本位」の傾向。動作が先で確認が後まわし。
慎重さの不足。衝動性。
2.軽信 ・・・ 見込みの甘さ。先読み不足。だろう運転。
3.かっとなる ・・・ すぐ頭にくる。感情の不安定。いらいら。
4.自分本位 ・・・ 自己中心性。社会性・協調性の未熟。
いずれも→ 「こども・酔っぱらい・急ぎ」の心理
助言指導法の確立
・自動車事故対策センター(国の機関)の設立
・検査結果のコメント票の配布と、口頭による適性管理法の助言。
助言内容
1.動作本位(軽率)の人に
→ぱっ!とやる前に一息動作を抑える。→「呼吸運動」
2.軽信傾向の人に
→「かもしれない運転」への切り替え。→「防衛運転」
3.感情的な人に(かっとなる動きが事故のもと)
緑を見るように、遠くを見るように。
善意解釈につとめる。
喋って、おどけて笑うこと。
4.自分本位傾向の人に
一度勇気を持って譲ってみる。
**経済効果**
自動車事故対策センターの調査によれば、適性診断受診の事業所はそうでない事業所に
比べて、全国1000億円の事故費の節減が平成8年度以降はあったと推定されたとの報告があ
る。各県にして約20億円の節減。職業運転者には効果ありといえる。