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顔の知覚の特異性
【2002/12/17】【 第12回】
<本日の講義内容>
顔の知覚の特異性
今回も講義の内容がシラバスと異なります。
顔認識
顔認識(face recogintion)= 顔認識の究極
・人は生まれつき顔パターンにひかれる傾向を持つ
・顔の認識はその後の経験によって、特性を備えるようになる
・顔は人間識別のインターフェイスとして、社会生活には欠かすことができない
・以上のことからsocial patternともよばれる
顔認識がもつ特異性
a.全体としての感じ(単一印象)が読みとられる
部品の特徴および部品間の関係構造から「創発」される、その顔に特有な単一の全体印象
(emergent property)をまとめあげている。
<例> 木(部分)を見る目と同時に森(全体)を見ることができる!
b.顔は乳児にも好かれる
顔のパターンに対する乳児の注目時間について実験した記録がある。2分間中の注目時
間を調べたところ、複雑なパターンが好んで注目され、複雑な中でも、整った本物顔が
特に好かれるという結果が出た。
乳児でもパターンに対する偏好があること、およびその他の研究から、人間のパターン
認識能力は生まれつきのものといえる。
c.顔知覚の発達
新生児での顔の知覚の発達は、一般の知覚学習とは別に進行する。個人顔に対する識別
の発達は他の知覚学習に比べ、遅れて発達する。