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【2002.5.29】【第14回】演習(在庫管理[1]) 在庫管理と安全在庫
1,発注点方式
残り在庫が発注点を下回ったときに発注する方式
発注点Pは以下の式で求められる。発注点P=1日の需要量×調達時間
図1の(ア)のように在庫の減り方が一定(需要が安定している)の場合には、効率よく在庫管理ができるが、現実には(イ)や(ウ)のように需要は少なくなったり多くなったりするため、品切れ状態や在庫過剰に陥る可能性が高い。
在庫は多いことに越したことはないが多すぎる在庫は不要な在庫維持費が掛かるため経営上良くないが、品切れ状態が続くと利益や顧客の信用を損ないかねないため、在庫は多めに持つ方がよい。
このときに多めに持っておく在庫を安全在庫という。
図1 発注点方式
2,発注点方式での安全在庫安全在庫は前にも述べたように品切れを防止するための保険のようなものである。
しかし、安全在庫が多すぎるといけないので多すぎない量を求める必要が出てくる。
安全在庫を求める基本式は以下の通りである。安全在庫=安全係数(k)×標準偏差(σ)
この場合、単位期間の需要は正規分布していると仮定している。
現在OPの在庫量を持っている状態で調達期間(L)後の在庫量が正規分布に従うものを図2に示す。
図2 安全在庫と品切れ確率の関係
単位時間終了時の在庫平均値は0で標準偏差はσである。
そこで品切れ確率がαになるようにするためには、在庫をkσにすればよいことがわかる。このαとkの値の関係は下の表1のようになる。
表1 αとkの関係
α(品切れ確率) 1% 2.5% 5% 10% k(安全係数) 2.33 1.96 1.65 1.28 たとえば、品切れ確率を1%にするには、kを2.33にするとよい。
これを発注点方式の場合で求める場合は以下のようになる。
先ほどの違いは、リードタイム(ここでは調達時間)と単位期間が別になっていることである。このような場合の安全在庫は以下の図3のようになる。
図3 発注点法におけるリードタイム中の予測誤差