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序論 〜情報ネットワークの基礎〜

【2002,4,11】 【連載回数 第1回】
何と言うか、序論が長いようですが、それだけ重要ということでしょう。
基礎はしっかりと身につけたいです。


情報とは
・情報(Information)=「その利用者にとって意味ある内容(事柄、事象)」
「意味のないもの→雑音(Noise)」

Wienerさんの情報の定義:
「生物及び自動制御系を持つ機械システムがその感覚器官を 通じて外界との間で交換するすべてのものの内容」
Shannonさんの情報の定義:
「不確実性の量を減らす働きをするもの」
McDoughさんの情報の定義:
「特定の状況における価値が評価されたデータ」

ネットワークとは
・ネットワーク(網:Network)=
「複数の人間、組織、機械やシステム同士のつながり」
・情報ネットワーク(Information Network)=
「複数の人間や組織にとって意味のある内容(事柄、事象)を お互いにやりとりできる網」
・情報通信ネットワーク(Telecommunicaton Information Network)=
「遠く離れた複数の人間や組織にとって意味のある内容(事柄、事象)を お互いにやりとりできる網」

通常は、情報通信ネットワークのことを情報ネットワークと言うようです。

【2002,4,17】
いろいろな情報ネットワーク
情報ネットワークは他の様々なネットワークと似ています。
例えば、

1)道路交通網
2)郵便システム(宅急便など)
3)水道ラインシステム
4)ガスラインシステム
5)人生というシステム 、、、等があります。

ここで、道路交通網で通信ネットワークを表現してみると、


道路交通網通信ネットワーク
通路

信号機
交差点
標識
交通規則
お巡りさん
伝送ネットワーク
データパケット
交換機
ゲートウェイ
ルーティング
通信プロトコル
ネットワーク管理システム

のようになります。
通信ネットワークだとわけがわからないことでも、
道路交通網に置き換えるとよくわかります。

【2002,4,18】
情報ネットワークに要求される要件や機能
言ってみれば利用者の願望です。
とりあえず挙げてみると、


1)実時間性(高スループット、低遅延)(Real time)
    ・高速大容量データ伝送が可能
    ・音声の遅れなどを感じさせない
2)安全性(プライバシー、セキュリティ)(Security)
    ・データの秘密性、ネットワークの安全性を保証
3)信頼性(対故障性、復帰性)(Reliability)
    ・ネットワーク故障が無い
    ・あっても迅速な復帰をする。
4)多様性(総合性、多重化)=(柔軟性)
    ・音声も映像もファイルも同様に収容し、転送できる
    ・一度に複数の利用者を収容できる
5)経済性(Cost Performance)
    ・設備が安く、一度に多くの利用者を収容できる。
    ・通信コストが安い
6)頑丈性(Robustness)
    ・仕様以上の無理が利く
    ・壊れにくい
7)可用性(Availability)
    ・使いたい時にはいつでも使える
8)透明性(Transparency)
    ・送信者からのデータは、そのまま変更なしに受信者へ届く
    ⇔ノイズが影響するラジオ放送
9)効率、利用率(Utilization)
    ・利用者によって常に使われている
、、、と、わがままな利用者の願いが判断できます。
これらは環境や状況によって必要とされるものが違ってきます。
彼方が立てば此方が立たず、というやつです。

【2002,4,24】
代表的な情報ネットワークの例
代表的なネットワークと言えば電話です。

・電話網:Alex G. Bell(アレクサンダー グランド ベル)による発明(1875年)
      …全米で95%のシェアを誇った。
・音声信号(アナログ信号)による双方向通信
・3要素:
      伝送路(Transmission Line):銅線ケーブル
      端末(Terminal):(電話機)
      交換機(Switch):(交換手、クロスバー、電子交換機)
・電話番号(Addressing)の採用
・通信プロトコル:
      ダイヤリング(dialing)
      呼び出しベル(ringing)
      会話(conversation)
      切る(hanging up)
情報ネットワークの変還
情報ネットワークの今までの移り変わりです。
1)〜1980年 電話網:
      音声通信が主体
2)1990年代 ISDN(Integrated Service Digital Network):
      音声+データ通信が主体
3)〜2000年 BISDN(Broadband ISDN):
      オーディオ+ビデオ+グラフィックス+データ
4)2000〜年 ギガビットネットワーク(Gigabit Network):
      高精細映像(HDTV)+サラウンド音響+3Dグラフィックス+大量データ
5)2010年 テラビットネットワーク(Terabit Network):
      ?????

2010年が楽しみです。
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