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トランザクション処理とデータベース制御 概説 障害回復制御
2000.12.11 第11回
- 障害回復制御
「一貫性」の制御のなかでは、障害が発生したときには、正常な状態に戻す必要がある。障害が一時的なものであるならば、再度、同じ処理を実施すればよいし、障害が再現するものであれば、そのげいいんを取り除かなくてはならない。このような制御を障害回復と呼ぶ。
障害回復は、元々正常であった状態へ、時間軸で後ろ向きで戻すというフェーズと、その正常な状態以後に実施された処理を、時間軸で前向きに行うというフェーズからなる。
- 処理の履歴
履歴として採取するのは、すでに述べた、定期的(目次、週次)な業務終了後のコピーというものがある。
それ以外のものとして、各々のトランザクションの処理に使用して、データを更新した場合の、ビフォーイメージ(処理前)、アフターイメージ(処理後)の二種類の履歴がある。
通常、ビフォー、アフターの双方が必要なのではなく、どちらか一方ということが多い。ビフォーは元に戻すために必要で、アフターは前向きに回復させるのに必要になる。
(処理後の書き込んだデータが、二次記憶の損傷などであとで読めないという場合のためには、アフターが必要になる。)
- アフターイメージ
正常な状態から、それまで処理したトランザクションでの処理開始前のデータのことをアフターイメージという。
- ビフォーイメージ
現状のデータベース状態から、それまで処理したトランザクションでの処理開始前のデータをビフォーイメージという。