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【日付 2003, 10 月 9 日】【連載回数第 2 回】


【今日の講義内容】
・電話網
・データ網
・パルス符合変調

・電話網

電話は、1876年、スコットランド生まれのベルにより発明された。 電話は、通信の端末としての電話機と電話機同士の間に音声を伝達する伝送路が必要である。 通信が、数人の加入者同士間でのみ行われる場合には、各端末同士が直接つながる伝送路を用意することもできる。 各端末の電話機には、ほかの端末への通信に際して、どの伝送路を使用するかの選択機能がなければならない。しかし、 端末が増加するなどした場合、伝送路や端末機能のためのコストがかかり不経済である。

このような理由により、端末同士を接続する伝送路の部分のネットワーク、電話網が構築された。
ネットワークの構成要素は、
●交換機 (switch)
●交換局 (exchange)

と呼ばれる中継システムとそれらをつなぐ中継線、そして加入者端末とそれを交換機へつなぐ加入者線とからなる。

交換機同士の接続は、さまざまな形態が考えられるが、つぎの二種類がその典型と考えられる。
・各交換機同士を直接接続する網状構成
・中継交換機を中心においた星状構成

加入者の少ない段階では、網状の構成もよいが、加入者が多く、しかも、地域が広い場合は、星状構成の方が経済的で融通性があるといわれている。

電話交換手順には、大きく分けて、2つの信号手順がある。ひとつは加入者と加入者交換機のやりとりもうひとつは加入者交換機同士のやりとりである。

回線接続設定、接続状態、接続終了の3段階を経て、その回線の接続、つまり発信者から受信者への呼(call)というひとつの通話単位の間、 交換機同士の接続状態が保たれる。これを回線交換方式と呼ぶ。

・データ網

アナログ(analogue あるいは analog):連続的な量を、なんらかのシステムにおいて他の連続的な量に近似させること
例) 長針と短針で表現した時計(アナログ時計)

デジタル:離散的な数値で置き換えたもの
例) 数値表示の時計(デジタル時計)

デジタル・データの通信が可能な網をデータ網と呼ぶ
デジタル伝送路では、電圧の有無や極性の違いで1と0を対応化させ、そのパルス波形を伝送するベースバンド伝送方式や、変調をかけたり多重化して効率を上げる方式がある。
わが国のデータ公衆網には、以下のものがある。
・電話網
・回線交換網
・パケット交換網
・ISDN網


・パルス符合変調

電話網も中継伝送路にデジタル伝送路が使われるようになると、アナログの音声をデジタルへ変換して伝送する必要があった。パルス符合変調(PCM)は、 最も良く使用されているアナログ信号のデジタル化の手法で、音声信号をパルス振幅変調方式(Pulse Amplitude Modulation : PAM)により標本化し、その電圧振幅を2進符号化する方法である。

【課題】
1、網状構成と星状構成、それぞれの短所と長所をあげよ。
2、電話網におけるPCM符号化された音声の速度が、64kbpsになることを示せ。

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