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第1回、第2回
【2003, 10, 2】

1 コンピュータシステムとは


1,1 コンピュータとは何か

1,1,1 コンピュータの特徴

電卓とコンピュータの違いは何か?

手順(プログラム)の内臓の有無である
プログラムには実行手順とデータとが含まれる
プログラムをソフトウェアとも呼ぶ  

1,1,2 ハードウェアとソフトウェア

ハードウェア : 装置 → ビデオデッキ
ソフトウェア : データと手順 → ビデオソフト(ただしビデオソフトはデータのみ)

1,2 コンピュータの発展過程

パスカル : 歯車式
バベッジ : プログラム内蔵のアイデア
ホリレス : パンチカード集計機(IBM社の源流)
エイケン(ハーバード大) : Mark1 リレー式計算機
___________________________________________________________________

エッカート/モークリー(ペン大) : ENIAC真空管 18000本 最初のコンピュータ 1945
↑ これに変わって トミー・フラワーズ(英国、暗号解読基地ステーションX):コロッサス、真空管1500本 1943

以来約50年 : 真空管→トランジスタ→IC→LSI→VLSI

1,3 コンピュータの種類

・ スーパーコンピューター : 気象分析予測、精密動画生成、ビル耐震シュミレーション
・ 汎用コンピュータ     : 銀行の預金管理システム、JRみどりの窓口システム、在庫管理
・ オフコン : 商店の売り上げ管理システム、医院の保険点数管理システム
・ ワークステーション : 技術計算、プログラム開発、メールサーバー
・ パソコン : インターネット、ワープロ、表計算、ホームページ制作

1,4 コンピュータの5大機能とハードウェアの基本構成

・入力 ←ーーーーーーーー→ キーボード、マウス
・記憶
主記憶 ←ーーーーー→ DRAM
補助記憶 ←ーーーー→ ハードディスク、フロッピーディスク
・演算、制御 ←ーーーーー→CPU(マイクロプロセッサー)
・出力 ←ーーーーーーーー→ディスプレイ、プリンター

* 制御の仕方を陰で決定しているのがアーキテクチャである。

1,5 コンピュータシステムの基本構成

コンピュータシステム → ハードウェアとソフトウェアの2層
しかし、実際はさらに細かくレベル分けできる

パソコンの場合のレイヤーの概要は以下の通り

ワープロ表計算ブラウザその他ウィンドウ(GUI)
ミドルウェア
(ネットワーク、データベース、ライブラリ、言語、等)
カーネル(実行制御、資源管理)
BIOS (入出力制御、割り込み制御)
CPU 主メモリIO
論理回路 記憶回路記憶メディア
表示メディア
情報の2進数表現・論理演算

* 色のついているところを”コンピュータアーキテクチャ”で講義

1,6 コンピュータと電卓の違いの具体例

 
具体的な問題:「1〜nまでの総和を求める」

・電卓の場合:"AC + 1 + 2 + 3 + 〜+(n-1) + n = "というキーを押す事で答えが出力される

・コンピュータの場合 :
  1. 「1〜nまでの総和を求める」為のプログラムを作成
  2. そのプログラムに適当な名前(例、Σn)をつけてコンピュータの中へ登録
  3. この問題を解くとき、Σnを呼び出す。呼び出されたΣnは n = ?と尋ねる
  4. nを入力すると答えが出力される
比較 
簡単な計算は電卓の方が遥かに手っ取り早い
コンピュータの方が有利になるのは以下の場合
  1. nの値が巨大になる場合
  2. nが繰り返し何度も与えられる場合
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