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視覚のルール
【2002/10/29】【第5回】
<本日の講義内容>
視覚のルール
今回も講義の内容がシラバスと異なります。
a.色の感覚
知覚 = 生得要因である
<例> 虹の色相:七色
赤・橙・黄・緑・青・藍・菫
日本人は虹の色が上の七色に見える。
なぜか?
→この七色を表現する言葉(単語)があるから!
虹の色相を例にとると
環境認識のはたらきは・・・
感覚(sensation)・・・”虹の色はこういう風に見える”
知覚(perception)・・・”虹の色は七色だ”
知覚(cognition)・・・”それぞれの色にはこういう名前が
あるから、やっぱり虹は七色だ”
というようになる。
環境認識のうちの「認知」というはたらきは、非常に主観的なものであ
る。日本人が虹の色を七色だと思うのは、前述しているようにその色を
表現する言葉が文化の中に存在していると「認知」しているからである。
例えば英語圏では、虹の色を表現する言葉が6つあるので、英語圏の人
々は虹の色を”6色”だと「認知」している。
b.色の現れ方
現れ(phenomeman) = 現象
ex.見え、聞え・・etc
→ 意識(=心)にどう現れるか = 感覚経験
☆☆心理学の基本☆☆
現象に密着する。被験者に忠実に記述してもらう。
・実験学(Katz,D., 1884-1953)
発展→ゲシタルト心理学
ex.色の現れ方の研究(Katz)
物体の色 → 二通りの現れ
表面色・・・物に密着している硬い感じ(ex.レンガの色)
↓↑
面色・・・・やわらかく突き通せるような感じ(ex.空の色)
還元衝立・・・あるものを通して、その一部分だけをのぞいてみる
表面色 → 面色に変化する
↓
現れ方の差異が分類される
c.図-地図関係の見え方
・図(知覚対象となる)と地(背景)が自動反転する。
*意識しなくても反転してしまう。
・図になった部分は前に突出し、背景部分は後退する。
・中央にある図が初めに”図”だと認識されやすい。
・知覚対象のなかでも、他と異なった形をしたものが図になりやすい。
・カモフラージュは図-地図関係を成立しにくくする。