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生徒理解の実態と問題点
2002/10/28 第3回
<生徒指導とは何か?>
生徒理解にはじまり、生徒理解に終わる。==> 難しい
先生が生徒を理解しようとするのと同じくらい、生徒からも先生を見て欲しい。
「教師が自分の体験(失敗経験の方が望ましい)を語る」
<生徒理解>
○観察法・・・・・全体を見るのではなく、今日はAさんとか今日は1班とか小規模で。
○面接法・・・・・そばに行って声をかけてみる。
○心理テスト法・・+に使う。テストで良かったところを3個くらい言って、さらにこうするともっと良くなるという
ところを1個言う。
<生徒理解に差異をもたらすものは何か?>
先生にはいろいろな先生がいる(男女、老若、未婚or既婚とかとか)
↓今までの体験が一人一人全然違う
多種多様にわかれる
そこで、ある実験をしてみた。
(1)新進教師と老練教師を見てみると、一般に、新進教師は評価が甘く、老練教師は評価が厳しいことがわかった。
これは、新進教師は生徒の良い面を伸ばそうとするし、老練教師は否定的な面にも同様の心配りをする(=視
野が広がる)からだと考えられる。
(2)「共通のゆがみ」
担任にクラスから1人望ましい生徒を出させると、優秀な成績の生徒を選出した。また、クラスの内部の事情を
知らない人がランダムにクラスから1人選出し、その2人を比べてみたところ、学業検査には差があるものの、
性格検査には差がみられなかった。つまり、教師は優秀な成績=望ましい生徒=性格までも優秀と見ていること
が分かった。成績が良いことで、あらゆる面で優れているかのように、すべての面で肯定的に見る傾向が強い。
逆に、成績が上位にないからといって、すべての面(性格とか)まで悪く見がちである。
しかし、そうではないため、できるだけ客観的に見るように複数の先生で話し合うなどの対処が必要。
(3)小学校(クラス担任制)と中学校(教科担任制)の違い
生徒に自己評価をさせて、成績をつけるときの参考にする際、小学校は一致することが多いが、中学校は一致す
ることはまず無い。
<ゆがんだ理解をもたらすものと妥当な理解をもたらすもの>
★ゆがんだ理解をもたらすもの
(1)感情的態度・・・教師は感情をコントロールしようと努めることが大事
(2)断定的態度・・・生徒の情報を収集し、だからそうなるんだと決めつける
(3)超過修正的・・・極端に戻る
★妥当な理解をもたらすもの
(1)心理的安定
(2)判断留保・・・こうなんだけど、もしかしたらそうかもしれないなぁ程度でOK
(3)受容的態度
・ 「教師(大人)も間違う」ということを子どもにも知っていてもらいたい
・ 間違いを認めることのできる教師になって欲しい