第7回:情報システムの構築プロセス(3) - プロトタイピングモデル
プロトタイピングモデル
- 定義:最終的に運用する情報システムを作る前に、実験的な、しかも実際に動くプロトタイプ(Prototype,原型)をつくり、それを利用者とともに評価するプロセス。
- 要求仕様、あるいは繰り返し手直しされるが、適当な時点で仕様を固定し、以降は従来からのウォータフォールモデルに従う。
- ウォータフォールモデルの問題点に対するひとつの解決方法として1980年前後に生まれた。
- 実施目的による分類
- 仕様探査型プロトタイピング(Exploratory Prototyping)
分析フェーズにおいて、ユーザニーズが不明確である場合に、その具体例を目的として実施する。
- 実験型プロトタイピングモデル(Experimental Prototyping)
設計フェーズにおいて、システム設計案の妥当性や実現可能性を事前検証することを目的として実施する。
- 実施形態による分類
- 使い捨て型プロトタイピングモデル(Throw-away Prototyping)
仕様と明確にするなどの目的が達成されたあとはそれを捨てて、改めて本格的なシステムを構築することを前提としたプロトタイピング
- 骨格型プロトタイピング(Nucleus Prototyping)
システムの骨格となる部分をプロトタイプしてつくり、実際のシステムはそのプロトタイプをベースに構築することを前提としたプロトタイピング
- 問題点
- 大規模システムでのプロトタイプの難しさ
- ユーザの期待が過大となる
- プロトタイプのテストや文書がおろそかになる
- システム設計に一貫性がなくなる