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コンピュータと人間との関わり(3)

― 人間の認知構造(前回の続き) ―

【2001,11,14】【連載回数 第7回】


    皮膚感覚
    設計原則
  • 圧覚、痛覚、温覚、冷覚 ← 医学(生理学)上この4つ
  • 受容体(圧点、痛点etc..)は不均一(指は多いが背中は少ないetc..)に分布
    1. 重要なキー、ボタンには表面に凹凸を(テンキーの”5”やキーボードの”F””J”)
    2. 薄膜キーやタッチパネルは視覚・聴覚でのフィードバックを


    (2)感覚レジスタ
      設計原則
  • 受容器に入った情報をそのまま短時間貯蔵
  • 強い感覚(刺激)ほど取り込み時間が短い
    1. 緊急(重要)の情報は強く(明るく、大きく)


    (3)注意選択器(フィルター)
      設計原則
  • 注意を向けている情報だけを意識にのせる
  • 同時に複数の話題を処理できない
    1. 処理すべき複数の情報を同時に提示しない
    しかし、
    「車を運転しながら話す」ことはできる。
    ↓ これは、
    運転 = スキルレベルで行う ] 知識レベルとスキルレベルなら並列できる(注意を向けているのは「話す」の方で、「運転」は自動化されている)
    話す = 知識レベルで行う

    (4)短期記憶
        設計原則
    • 注意選択器を通過した情報を一時的に貯蔵
    • 時間が経つと自動的に消える
      • 反芻(リハーサル)による延長
      1. 維持リハーサル : おうむ返しに繰り返す
      2. 精緻化リハーサル : 意味を考えながら繰り返す
    • 記憶容量が少ない : 努力して 7±2、通常 4±1チャンク
    • 意味のあるものの方が保持しやすい
      1. 対話作業の中で5チャンクを越えるものを保持させない
      2. 保持させる場合、意味のあるものにする

      (5)長期記憶
        (a)意味知識とメタ知識
        設計原則
    • 意味知識 : 具体的な事物に対応した知識
    • メタ(一つ上の)知識 : やり方(意味知識から抽出され一般化された知識)、方法に関する知識
      1. 機能が豊富になると意味知識の量が大きく増える → 意味知識をメタ知識に(・やりたいことから引けるコマンド一覧 ・機能の説明に基づくエラー対処法)


        (b)新規知識と既存知識
        設計原則
    • 新規知識 : 努力が必要、高齢になると困難、緊急時に困難
      1. 既存知識のみで操作


        (c)汎用知識と特有知識
        設計原則
      1. できる限り汎用知識で操作


        (d)記憶しやすい知識
        設計原則
    • 短期記憶しやすいものが長期記憶しやすい
      1. 意味をセットで説明


      ・・・・・・・・・・・
      >>> 次回、(e)再生と再認 から。

      ********************レポート ********************
      ※今回のレポートはありません。


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