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PERTによる日程の計画1
【2001.06.07 2限 第8回】
1.ネットワーク表示
発表者:池田
パート(Program Evaluation and Review Technique; PERT):計画の評価と検討の方法
仕事の全体を計画し、管理するためにネットワークと呼ばれる図を書く。
例)家屋の建築
作業内容は以下の通り
記号 |
作業内容 |
先行作業 |
所要日数 |
A |
基礎工事 |
− |
10 |
B |
骨組み工事 |
A |
4 |
C |
電気配線工事 |
B |
3 |
D |
ガス工事 |
B |
5 |
E |
水道工事 |
B |
4 |
F |
屋根張り工事 |
B |
7 |
G |
壁塗り工事 |
C,D,E |
5 |
H |
建具工事 |
F,G |
3 |
I |
雨どい工事 |
F |
2 |
J |
外装工事 |
H,I |
3 |
この表をネットワークに表すと以下の図のようになる。

○それぞれの説明
- 活動:矢印で表される。作業などのように一定の時間を必要とする色々な活動を表す。
- イベント(結合点):活動と活動の結合点を表す。なお、イベントには便宜上順番に番号をつけておく。
- 始点イベント:最初のイベント。ネットワークの開始時点を意味する
- 終点イベント:最後のイベント。ネットワークの完了時点を意味する。
- ダミー活動:点矢線で表される。実際の活動ではない疑似活動。
ネットワーク作成についての重要なルール
- 1つ1つの活動は、必ず前後にイベントを持っていなければならない。
イベントのないところから矢印が出てはならないし、イベントのないところで矢印が終わってもならない。

- 1つ1つのイベントは、始点イベントと終点イベントを除いて、必ず前後に活動を持っていなければならない。ただし、1つのイベントが2つ以上の活動を持つことは差し支えない。

- いかなる活動でも、その前のイベントに入る活動がすべて終わっていない限り、その活動を始めることができない。
- どのイベントでも、そのイベントに入るすべての活動が終わらない限り、そのイベントでの活動が終わったことにはならない。
- 前と後のイベントの間に、同時に並行する活動がある場合には、必ずダミー活動を用いて表す。

- いかなるイベントも、そこから出て再びそのイベントへ戻ってくる活動経路を持ってはならない。すなわち、ネットワークでは活動がループ(環)を描くことは認められない。
- イベントの番号は、先行の活動から後続の活動へ行くに従って、つまり矢印の向きの方向へ行くに従って大きくなるようにつける
○パートの計算
最早開始時刻:早くともこの時刻でなければ次の作業を開始出来ないと言う時刻のこと。
<求め方>
始点イベントの最早開始時刻=0
他のイベントの最早開始時刻=前のイベントの最早開始時刻+作業時間
ただし、2つ以上の作業が終わらないと次の作業が開始出来ないイベントでは、求めたそれぞれの開始時刻のうち、一番遅い(値の一番大きい)時刻を、そのイベントの最早開始時刻とする。
最遅完了時刻:遅くともいつまでには終わっていなければならないという時刻を表す。
<求め方>
終点イベントの最遅完了時刻=終点イベントの最早開始時刻
他のイベントの最遅完了時刻=あとのイベントの最遅完了時刻−作業時間
ただし、2つ以上の作業を開始するイベントでは、求めたそれぞれの完了時刻のうち一番早い(値の一番小さい)時刻を、そのイベントの最遅完了時刻とする。
演習課題
発表者:瀬川
(1)次の各作業リストによってネットワークを作成し、各イベントの最早開始時刻と最遅完了時刻をネットワークに記入せよ。
(2)上記の最早開始時刻と最遅完了時刻の計算過程を記述せよ。
作業 |
先行作業 |
所要時間 |
A |
- |
8 |
B |
- |
17 |
C |
A,B |
16 |
D |
B |
5 |
E |
B |
11 |
F |
C |
8 |
G |
D,E |
9 |
H |
D,E |
15 |
I |
E |
13 |
J |
F,G |
10 |
K |
F,G,H,I |
9 |
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