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在庫管理1

【2001.05.10 2限 第4回】
1.在庫管理
発表者:吉川

○在庫
在庫・・・将来の需要に備えて遊休させておく資源。商品や原材料だけに限らず、人手や金、機械設備などでも在庫のように考えることができる

○在庫の種類

○在庫の費用
在庫の費用は大きく分けて2種類ある。
現金費用・・・現金の流出がある費用
機会費用・・・現金の流出を伴わない費用。もしもその機会をうまく利用すれば得られたであろう最大の利益と、現実に得られた利益の差をさす。

在庫の費用の分類として、以下のものがある
○在庫管理問題の本質
最適在庫量・・・過剰在庫費用と在庫切れ費用の和としての総費用が最小になる在庫水準。これを決定することが在庫管理の一つの中心的な問題である

○在庫問題の類型
以下のように分類できる。
  1. 将来の需要の不確実性
    1. 需要が確定しているばあい
    2. 需要が確定していないばあい
  2. 発注決定の独立性
    1. それぞれの発注決定が独立の場合
    2. それぞれの発注決定が独立でない場合
うち、1-1の需要が確定していて、発注決定が独立のものは、確定している需要分だけ発注すればいいので問題にならない。


○需要が確定していて発注決定が独立でない場合
例)
ある電気店で、ある型の電球の年間の売り上げは1000個である。これを難解に分けて発注するかを考える。電球の仕入れ価格は100円、売値は130円であり、発注のたびに発注費用50円がかかる。また、在庫するには在庫諸費用が1個1年あたり10円(在庫金額の10%)がかかる。このとき、1回に何個発注したら、総費用を最小にすることが出来るだろうか?

総費用は発注費用と在庫維持費用との合計なので、
総費用=(発注費用)+(在庫維持費用)
=(1回あたりの派中費用×発注回数)+(平均在庫量×1個あたりの在庫維持費用)
発注回数をNとすると
総費用=50*N+{{1000/N)/2}*10
=50N+(5000/N)
となる。

では、総費用が最小になるように発注量を求めるにはどうすればよいか。
総費用を最小とする発注量を最適発注量といい、これを求めるには次のEOQ公式を使えばよい。
最適発注量=√{(2×年間需要量×1回あたりの発注量)/1個1年あたりの在庫維持費用}
前項の例題では
最適発注量=√{(2×1000×50)/10}=100
となる。


演習課題1
発表者:長井

(1)プリントP.96表4-4「例題の在庫費用」データに基づき、「発注量と総費用との関係」を表すグラフを描きなさい。
(2)上記(1)における最適発注量を求めよ。
(3)上記(1)、(2)の解説を記述せよ。

表4-4 例題の在庫費用
発注回数 1回の発注量 発注費用 在庫維持費用 総費用
1 1000 50 5000 5050
2 500 100 2500 2600
5 200 250 1000 1250
10 100 500 500 1000
20 50 1000 250 1250
50 20 2500 100 2600
100 10 5000 50 5050
500 2 25000 10 25010
1000 1 50000 5 50005


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