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担当:渡邊慶和

課題発表

【2000/12/15】 【連載回数 第11回】

今回も第6回講義で出された課題についての発表が行われました。
なぜそれが戦略的情報システムなのかを書いている、3つのグループが発表しました。


■課題発表 : 戦略的情報システムの事例/何故それがそうなのか
1.「丸井」顧客情報システム

2.アメリカン航空(AAA)のサーバー予約システム
  • 座席予約を旅行代理店からオンラインで扱える
  • 自社を優先させるが、他社の便も予約可能
  • 競争優位

3.セブンイレブンのPOSシステム
  • POSで年齢・性別を管理
  • 売れ筋商品を配備し、在庫・販売機会損失を最小にする
  • 「在庫ゼロ・品切れゼロ」を目標に
  • 売れた時点でできたことが戦略である
  • コストを下げれば、売上・利益が上がる


■戦略情報システムのとらえ方
  • 狭義にとらえると、ISの発展史1980年代中頃に登場するひとつの形態
  • 広義にとらえると、組織の戦略策定および実行に役に立つISの形態で、必要とするITは、時代ごとに変化していく
■戦略的情報システムを考える3つの側面
  • イメージ
  • 概念モデル
  • 目標と範囲
■戦略的情報システムのイメージ
  • システム/環境/組織/市場/戦略/競争
    組織外情報システム→有効性
    組織内情報システム→能率性
  • 二つのイメージ
    組織戦略とISの関係から
    戦略的情報とISの関係から
■戦略的ISの概念モデル
  • 経営戦略とISの関係から
    戦略的IS ={経営戦略}×{情報システム}
    ={D.P}×{A.I}
    ={(D.A).(D.I).(P.A).(P.I)}
■戦略的ISの4つの概念モデル
  • (D.A)→(D.I)→(P.A)→(P.I)
  • (D.A):守り戦略コスト削減IS
  • (D.I):機会模索戦略と統合化IS
  • (P.A):環境変化先取り戦略と支援IS
  • (P.I):異業種対象戦略と支援NW
■(D.A):守り戦略コスト削減IS
  • 環境遮断型の守り戦略
  • 業務処理コスト削減IS
    例)販売管理システム・在庫管理システムなどの個別アプリケーションが中心
■(D.I):機会模索戦略と統合化IS
  • 防衛型・市場での成長機会の模索
  • 複数のアプリケーションを含むIS
  • 組織全体の効率化・業務処理の迅速化
    例)商品在庫管理複合システム・物流資金管理複合システム・受発注財務管理複合システム
■(P.A):環境変化先取り戦略と支援IS
  • 環境変化先取り、社内ベンチャーの育成、ジョイントベンチャーの形成
  • 環境の走査と情報収集のIS
    例)戦略ビジネス支援システム・市場情報検索システム
■(P.I):異業種対象戦略と支援NW
  • 広域同一市場空間から異業種空間へ
  • 双方向の情報交換を可能にするネットワーク
    例)取引関係企業間情報ネットワーク・異業種企業間ネットワークシステム
■戦略的情報の共通特性
  • 問題発見型情報が中心
    日頃の情報収集でいざというときに備える
  • 環境情報が中心
    トップの意思決定には環境動向が重要
  • 非公式・主観的情報
    公式情報や客観的情報は重要ではない
  • 早期警戒情報
    環境変化の兆しを察知し、経営管理者に伝達するチャネルの確保


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