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担当:渡邊慶和

戦略情報システムという学問領域

【2000/10/13】 【連載回数 第2回】

組織情報システム学とは・・・
組織の効率的な設計・運用を工学的に解明する組織工学と、情報システムの 企画・構築・運用・利に関する諸問題を扱う情報システム学を融合し、ソフ トウェア情報学における研究領域の一つを形成することを目指している。
渡邊研究室HPより


戦略情報システム
組織の中で使えるIT→戦略
何かを変える・新しく作る
初めて意味をなす
それのみでは成り立たない

と言うことでまず、組織というものから学んでいく


組織工学ノート(渡邊慶和・岩手県立大学ソフトウェア情報学部)より
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組織工学(Organizational Engineering):東京工業大学元学長松田武彦先生が命名
・一般的用語ではない。組織工学というときは、System Engineering(SE)の略
・ここでは、工学系の人に聞かせるための組織論という意味
・固有の工学とは異なる。工学的ということは値引きしていただきたい
・ソフトウェア情報学部で組織情報システム学講座のコア領域のひとつと考えられる
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・現代は「組織の時代」、組織現象の普遍性 就職しても必ず組織の一員となる
組織:一人ではできないことをやり遂げる工夫

・組織は"鈍器"だ。組織の硬直化。組織がうまく働かない
硬直化:役割のパターン。役割が決まってしまうと、それ以外はやらない、できない、かえられない

・組織作り---意図どおりに行かぬ。全く機能しない。ただお金を食う機関となりやすい
官僚制組織の逆機能(Dysfunction)

・パーキンソンの法則(1995年)---組織は(いったん作ると)小さくならない
合併・吸収等で大きくなる

・組織か人か---三菱は組織で持つ。三井は人でもつ

・組織は提携体(連合体、Coalition)からなる。力関係のバランスの上に成立
様々な派閥抗争---社長派、専務派、話題が絶えぬ
組織→パワーシステム:権限をもつ人が決められる。責任がともなる

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Part1.組織静学(Organizational Statics)

・静学:構造的アプローチと言う意味
・組織を分析する見方
@組織構造(Stucture):比較的一定して変動しない部分(全く動かないわけではない)
A組織行動(Behavior):(組織を構成する)個人、集団の動き、形態(Dynamics)
集団力学:組織がどのように行動するか

第1章:組織工学へのアプローチ

1.1 工学的アプローチ(Engineering Approach)
・人間を研究対象に含む工学的アプローチ
・通常の工学のイメージでは当てはまらない(工学らしくない)

1.1.1 組織の実態論をふまえた方策論
○対象:人間組織
・組織問題:What,Howの問題の二面あり
1)組織の実態論:Why,What as a Natural System
実態論---科学的(価値:良い・悪いを排除)
現実に対する説明のメカニズム/純粋科学的態度
Sein,What is.
記述理論(Descriptive Theory)

2)方策論(Prescriptive Theory)、規範論(Normative Theory)どうするか?
方策論、規範論---工学的(価値がある。〜すべきだというのがある。なぜ?と言ってはいけない)
as an Instrument 意図的構築物
Should be.Sollen,How to.
Tool,Policy,目的達成の道具だ
思惑(意図)通りに推移しない組織
純粋の機械(ハードウェア)の設計のように、予定通りに行かぬ難しさ

3)実態論をふまえた方策論
=実施理論:何のためにどうやってそれをやるのか


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