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担当:渡邊慶和
戦略情報システムという学問領域
【2000/10/20】 【連載回数 第3回】
出席とりました。
組織工学ノート P6〜26
1.2 システム思考
要素=ei
関係=rj
S1/S={eirj}
・要素本位の考え方(伝統的)
- 部品AもBも大切である。A,Bのうちどちらが大事か?どちらも大事だ。
要素それ自体のレベルで評価。ある部分だけは比較できるが、要素間の比較が不可能。
部分についての評価と全体についての評価は別ものである。
- ・全体についての評価
- 重点主義:ある部分に注目していく ←システムはこっち
- 総花主義:全ての部分に注目していく
- どのeiに注目してそこを重点的に動かすかによって、全体の評価が変わっていく。
第2章:組織風土
2.1 心的風土(Mental Climate)
- 2.1.1 帰納思考
- ・具体から出発して、抽象化の度合いを上げていく考え方。経験を積み上げる。
- 帰納思考←→演繹思考(後から説明していく)
- 日本→帰納
- アメリカ→演繹、方針をブレイクダウン
- ・帰納思考+演繹思考の加味
- 企業の大目的を下位目的へのブレイクダウン
- 2.1.3 作業本位
- ・直ぐ作業に入りたがる
- ・日本人の勤勉さ 作業本位の勤勉さ
- ・忙しく動きまわっている人が評判が良い
- ・「やっている」(operation)ことがとても大事
- 有効性(Effectiveness):目標達成→他者、組織全体の中での論理的つながりで決まる。
- 能率性(Efficiency):P/C 業績/費用
- 活性、活力(Effervescence)
- 2.1.5 貯蔵知識本位
- ・既存の知識−ノウハウ重視傾向大
- 例)詰め込み教育
- Educate:「引き出す」ことが教育
- ・検索重視
-
知識(知ってるだけでは知識じゃない)
↑ 体系化(体系化しておくから検索ができる)
情報
↑ 意味
データ
- ・鋭い(Questioning)質問
- 的確な質問→相手から何かを引き出す質問
- 2.1.6 要素本位
- ・枠組み重視
- 例)市場調査の依頼に対して必ず問われる質問。
「我々の行う市場調査(Market Research)は、一体どのような意思決定に用いるのか?そのとき関連する情報の精度はどのくらいか?」
これによって調査費用が大変違ってくる。精度の高い情報が必要なら調査費も高くつく。
2.3 組織理念(Organizational Concepts)
- 2.3.2 非構造化性向
- ・アメリカ→明確化できることはできるだけする
- 職務記述書(job description)
- ・構造化=明確化
- ・構造化問題
- ・漠構造化性向
- 明確化できることでもあえて明確化しない性向のこと
- 2.3.4 実績主義と減点主義
- ・実績主義
- 失敗に対して減点しない。良いものを出していけば良い。やれるだけやれば良い。失敗を恐れない。失敗した時はなぜ失敗したのかを自分で考え、報告すれば良い。
- ・減点主義
- 失敗するとペナルティ。うかつに手を出せない。
- 機会を見過ごすと、機会損失(Opportunity Loss)、機会費用(Opportunity Cost)が発生する。
2.4 組織運用(Organizational Practice)
- 2.4.1 運命共同体
- ・組織への高い帰属意識・同一化 組織の価値と自分の価値の一致化
- ・運命共同体意識
- 自分の専門職への誇りよりは、企業に対する誇りが高い。
- SEというよりは、日立の社員
- 2.4.2 非公式組織
- ・組織には公式と非公式がある。
- 公式:人間共同体
- 非公式:組織図では規定されていない関係
第3章:組織構造
- ・パラダイム
- トーマス・クーンの科学革命論
- SG(形式)、エグゼンプラー(問題+答)、信念、価値
- 3.1 合理的組織構造
- 3.1.1 官僚制
- ・官僚に対する日常的使い方
- マイナス面(逆機能、Dysfunction)の強調
- ある機能を強調しすぎたために非能率
- ルールに基づいて行動→安定化
- 行動がルールを縛る、縛り付けると→逆効果
- 完全なルールはない
- 3.1.2 古典的管理論の組織原則
- ・科学的管理→テーラリズム
- 動作研究:熟練の人を研究して、初心者の悪いところを直す
- 時間的研究:
3.2 組織構造設計(Organizational Structural Design)
- 3.2.1 組織の基本的構造
- 1)直系組織(Line organization)、軍隊組織
- 直線的に一人の人から命令がくる
- 長所:明確な秩序の存在。決定結果の実行の容易性
- 短所:上位階層ほど忙しい。下位は守備範囲が狭い
- 2)機能(職能)組織(Function Organization)
- 組織を大きくしても管理できる。

- 長所:上位者の負担の削減、養成も容易。熟練の短期化。
- 短所:秩序の複雑化。全体の行動決定・実行が混乱。
3.3 現代的組織構造(Modern Organizational Structural)
- 3.3.5 マトリクス組織
- ・マトリクス構造
- 横軸に職能別のマネジメントが存在
- 縦軸に製品別のマネジメントが存在
- ・利点
- 1.製品別グループおよび性能別部門 必要に応じて移動が容易。弾力性が高い。
- 2.複数の公式的報告関係 コミュニケーションが開放的になる。
- ・問題点
- 1.多元的問題系統 命令の一元化を敢えて破る(コンフリクト発生)
- 2.責任の不明確化
- 権力闘争 2BMは内部調整にエネルギーを割かなければならない