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「ヒトラーの長い影」第三章
【連載回数 第4回】
第4回目授業の内容
「ヒトラーの長き影」第三章 厄介な隣人関係
●韓国とポーランド
ポーランドは回りにドイツやロシアなどの強国に囲まれてそれら強国の都合で良いようにされたところが
韓国と似ている。
●ポーランドの歴史
15世紀後半から16世紀にかけてはポーランドの黄金時代で、領土も広大であった。
スウェーデンおよびロシアとの競合によりポーランドの国力は疲弊して、バルト海にはさまれた地域をほとんどロシアのピョートル大帝によって取られる。
1701年にポーランドはプロイセンを独立国家として認めざるをえなくなる。
プロイセンは1740年から1763年にかけて三度の戦争をして、その結果、領土を増やし
ヨーロッパで5番目の強国になる。ポーランドはそれら強国によって分割、吸収されてしまう。
1918年にポーランドは国家主権を回復するが、国境を巡って近隣諸国ともめる。
1939年8月23日の独ソ不可侵条約によってポーランド分割に関して了解が出来上がっておりドイツの攻撃などによって「第四次ポーランド分割」が開始される。
後にポーランド地区と呼ばれるその場所はドイツ帝国領土から追い出したユダヤ人の押し込め先として見込まれており、後に絶滅収容所が出現し、330万人のポーランド系ユダヤ人や奴隷になることに抵抗したポーランド人などが殺害された。
●オーディル−ナイセ線
第二次世界大戦時でポーランドの人口の五分の一の人間が死に、その主な原因はドイツ占領軍によって殺されたものである。
殺されたユダヤ系ポーランド人の数は300万人にのぼった。
文化財なども破壊し尽くされた。
●難民たちの運動
1945年以降ポーランド政府は国内で同化政策を推進した。少数民族の存在を認めず、ドイツの学校などは一掃され、ドイツ人の名前もポーランド語化された。
シュレージエン文化のドイツ的要素は公的生活空間から姿を消した。
しかし、少なからぬ地域で住民の四分の一はドイツ系少数民族に属しており、「ドイツ友好サークル」ではドイツ語の授業の開講や、自治権と二重国籍を認めることを権利として主張している。
ドイツ保守派各党は自他に向かって数十年の間ドイツの本当の国籍は1937年時点の物だと吹き込んでおり、いずれ今すんでいるところがドイツになるのだと思っていた人も多い。
今でもその希望を持っている人もいる。
シュレージエン人が二重国籍であったことなどはかつてなかったので、国際法規上非常に厄介な問題が発生している。
ポーランド政府はその人たちにドイツの選挙に参加して欲しくなかったのだが、ドイツはドイツのパスポートを持っていれば選挙から排除しないという姿勢をとったのでいろいろとややこしいことになった。
●教科書問題
ドイツとポーランドの教科書にはいろいろな相違点(たとえば強制移住と追放など)があり、それらの違いを埋める為にドイツとポーランド双方の教科書委員会は年二回のペースで会議をし、1976年には26項目の勧告をまとめた。
この辺の事情も日本や韓国、中国などの関係に似ているところでもある。