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情報学基礎A
【第20/21回】【2001.1.11,16】【野村美穂】
関数モデル
(8)(9)
論理型計算モデル
一階述語論理
定義1)項
- 変数は項である。
- 定数は項である。
- 関数は項である。
・・・t1,t2,...,tnが項ならばn変数関数fによって作られたf(t1,t2,...,tn)は項である。
定義2)命題
「〜は〜である」のような形の文において、真または偽のどちらか一方をとるもの。
「〜は〜である」のような文を言明という。
また、変数を含む命題を「述語」という。
定義3)論理式
- t1,t2,...,tnが項ならば、n変数述語Pによって作られたP(t1,t2,...,tn)は論理式である。
- P、Qが論理式ならば、以下のものは論理式である。
¬P | Pの否定(否定) |
P∧Q | PかつQ(論理積) |
P∨Q | PまたはQ(論理和) |
P→Q | PならばQ(含意)→条件文 |
P⇔Q | PとQは同値→必要十分条件 |
- Pを論理式、xが実数ならば、次のものは論理式である。
∀xP | 任意の(全ての)xについてP、あるいは、各xについてP。 |
∃xP | あるxが存在してP、あるいはPを満たすxが存在する。 |
∀は全称記号(allの意)、∃は存在記号(existの意)である。
∀xのxを、束縛変数という。このとき、xは限量または束縛されているという。
定義4)開(閉)論理式
開論理式・・・論理式の全ての変数が∀または∃によって束縛されていない関数。
閉論理式・・・論理式の全ての変数が∀または∃によって束縛されている関数。
優先順位・・・()省略の場合
論理式の解釈
解釈・・・論理式に含まれる項(定数、関数)や述語に適当な意味を定めること。
- ある集合U(領域)を定め、各定数にUの要素を割り当てる。
- n変数関数fをU上の関数Un→Uとして定める。
- n変数述語PをU上の関数Un→{真、偽}として定める。
恒真な論理式
充足可能 | ある解釈のもとで真となることができる論理式 |
充足不可能 | 充足可能でない論理式 |
充足可能・・・真となる解釈が1つのみ
恒真(妥当) | どの解釈のもとでも常に真となる論理式 |
恒偽 | どの解釈のもとでも常に偽となる論理式 |
等価 | 2つの論理式FとQの審議値が任意の解釈のもとで同じであること(F=Qと表す) |