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データベースの設計から商用システム上へのデー場ベース構築までの演習
【2000.05.19 1限 第5回】
演習1.データベースの概念設計
自分がデータベース化してみたい対象について、まずその対象世界をE−Rモデルで表現してみよう。
- 対象は学問的でも趣味に関することでも何でも良い。
- 手順:
(step1):「実体」を必要数作成する(記号は長方形)
(step2):実体の性質を記述する「属性」を必要数加える(記号は丸で、実体からの有向辺で記載する)
(step3):実体間の関連を表現する「関連」を追加する(記号は菱形。)すべての実体が他の実体と接続され、孤立した実体がないようにする。
(step4):関連について、その写像基数を追加する。
(step5):(step1)〜(step4)について再考し、意味的に考えて最も適切なまとめ方と思える形まで修正を繰り返す。後にリレーショナルデータベーススキーマを導出することを考慮し、最低限、属性内部に構造を持たせないことに注意する。
- 以上によってE−R図を完成させる
- 作業は別紙上で行ってください。
演習2.データベーススキーマの導出
- E−Rモデルからリレーショナルモデルへの変換規則の適用
演習1.で作成したE−R図から、第4回の4.1項で学んだ「E−Rモデルからリレーショナルモデルへの変換規則」を使って、リレーショナルデータベースのスキーマを導出してみましょう。
- 特に「関連」を変換する場合の、写像基数に応じた処理の違いに注意
- 変換によって得られるリレーショナルデータベーススキーマは、
リレーション名(属性1、属性2、属性3、・・・)
ex)打撃成績(チーム名、背番号、打数、安打、打点)
投手成績(チーム名、背番号、投球回数、自責点)
選手名簿(チーム名、背番号、選手名、選手名ふりがな、出身校、経験年数)
などのように記述する。
- 作業は別紙で行って下さい。
- 主キーの設定
演習2−1で得られた各リレーションについて主キーを定め、その属性または属性群にアンダーラインを付して明示する。
「人名」、「商品名」など、まったく同じデータが生じ得る属性のみでは主キーとはならないので、ここまでで定義している属性のみでは主キーが定められない場合には、人工のコードを付加して主キーとする。
- 第2正規形の導出
現在のスキーマではすべてのリレーションが少なくとも第1正規形になっているはずである。主キーが複数の属性から構成されているものがあれば、部分従属性が生じていないかチェックする。そして部分従属性があれば、リレーションを分割して排除し、すべてのリレーションが第2正規形となるようにする。
新しく作ったリレーションについて、主キーを設定することを忘れずに。
※部分従属性がなければ、このステップはスキップして良い。
- 第3正規形の導出
現在のスキーマではすべてのリレーションが少なくとも第2正規形になっているはずである。推移的従属性が生じていないかチェックしてみる。そして推移的従属性があれば、リレーションを分割して排除し、すべてのリレーションが第3正規形となるようにする。新しく作ったリレーションについて、主キーを設定することを忘れずに。
※推移的従属性がなければ、このステップはスキップして良い。
以上により、すべてのリレーションが第3正規形となり、データベース設計が1段落したことになる。次に、実際に商用システムにデータベース構築を行ってみる。
商用システムAccess97を使ってのデータベース構築
実際の操作なので略
次回に続く
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