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【2000.04.14 1限 第1回】0.講義概要
1.データベースとは
- 参考書
- 穂鷹良介:「データベース入門(改訂2版)」、オーム社
- 穂鷹良介:「データベースシステムとデータモデル」、オーム社
- 飯沢篤志、白田由香利:「データベースおもしろ講座」、共立出版
- 評価方法:期末試験の他、演習問題での理解度を加味する。演習はときどきやる。
- 連絡方法:
(先生から):電子メール、掲示による
(先生へ):電子メールで(takayama@soft.iwate-pu.ac.jp)- 念のため
- 居場所:ソフトウェア情報学部B棟2F研究室8
- 電話番号:内線2614
例)データベースのいろいろ
- JAS(http://www.jas.co.jp/)の空席/スケジュール案内
- 日本道路公団(http://www.japan-highway.go.jp/)のハイウェイナビゲータ
- Mapion(http://www.mapion.co.jp/)の地図データ
- カーナビ
- データベースのあけぼの:1960年代前半
- その後急速に世の中に浸透。新聞紙上でも頻繁にその名が見られるように。
- データベースという言葉:人によって意味するものに違いがある。
- 「データ量の程度」、「同時更新の程度」、「知能水準の程度」の3つで分類してみる。
以上3つの尺度について、おおざっぱに高低の2値で分類したのが下の表1.1。
- データ量の程度:
- テキストデータだけのものならフロッピーに入る程度のこともあるが、画像、音声などを含むマルチメディア・データベースとなると、ギガのオーダーになることも珍しくない。
データ量は件数が万のオーダー以上になると一般的に多いと言われる。- 同時更新の程度:
- 同時更新とは、一時期に同じデータベースに対して複数のユーザまたはプログラムから更新を行うこと。詳しくは第11回あたりで。 内容がほとんど更新されないデータベースならば、コピーをみんなが持っていればいいが、頻繁に更新され、最新状態以外では意味が無いようなデータベースでは、種々のテクニックが使われる。
- 知能水準の程度:
- ・知能水準の低いデータベース:検索するときに、格納したときとほぼ変わらない形でデータを提供するもの。
・知能水準の高いデータベース:検索するときに、格納されているデータに種々の加工を施したり、利用者からの問い合わせに応じて蓄積データを利用して推論を行い、データベースに直接格納したデータとは別のデータを返したりするもの。
表1.1 データベースの分類 分類番号 データ量の程度 同時更新の程度 知能水準の程度 データベースの例 (1) 低 低 低 パソコン上のデータベース (2) 低 低 高 人工知能等で用いているデータベース (3) 低 高 低 該当なし (4) 低 高 高 該当なし (5) 高 低 低 データベースサービスで提供されるデータベース (6) 高 低 高 人工知能等で目的とするデータベース (7) 高 高 低 従来のファイルの発展形として統合化された共用ファイル群型データベース (8) 高 高 高 人類が理想とするデータベース
- データベースの定義=組織的な記憶
データベース出現の背景
- データベースを可能にしたハードウェア技術
- 大容量記憶装置のコストダウン
- ランダムアクセス=データに番地を付けて記録を行い、後にそれを探して読んだり書き直したりするときにその番地を指定することによってどのような順番ででも処理が出来ることを言う。
・○:磁気ディスク、フロッピーディスク
・×:8ミリテープ、データカードリッジ、DAT- 独立した存在としてのデータベース
- 情報が資源、情報が財産
- 例)製造業
生産担当者、販売担当者、取締役、それぞれが別個にデータを管理しているのは無駄- 特定目的のファイルを目的別に作成するのは得策ではない。収集データが現実世界を正しく表現しているものならば、蓄積データは原則として1種類存在すれば十分で、むしろそのようにすることにより、他の関連分野との関係を同時に把握するのに役立つ
- 更新は、1回で済むのがよい。
- 「1 fact 1 place」
- 複雑なデータ処理をやさしくする道具
- データベースを管理するためのシステム:データベース管理システム
データの挿入、削除、更新、検索- データベース+データベース管理システム=データベースシステム
データベースに関する3つの言葉の関係。ただし、データベースという言葉は多義的。- 業務の統合化
- 企業内の業務:
・現実の業務がバラバラに処理されていたとしても、同じ企業の中では事務処理上あるいは業務処理上、共通部分が相当あり、統合化によってかなりの部分の重複削除が可能。
・異なった業務であっても共通に把握しなければならない管理情報があるのが普通。情報の受け渡しが必要になることも少なくない。
情報の統合化→データの統合化→データベース- 標準的データ処理手段
- データベースに対して要求されることを、ソフトウェア技術上の問題として考えると、要は共用多目的ファイルに対する簡便かつ標準的なインターフェースを確立すること。
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