←【会計情報学】シラバスへ
←講義のツボメニューへ

企業会計のしくみ

【2000.4.21】 【第2回】



1.黙って従え、という基準を公準という。
会計公準 → 財務会計におけるスタートライン(基礎的前提ないし条件)。また、公準とは基礎的前提、つまり認めなければならない前提のことである。

2.会計公準は企業会計の土台となっている。
財務会計においても「会計理論」という柱を立てるための土台、つまり会計公準が必要となる。また、会計理論を成立させるために認めなければならない前提条件である。前提の内容としては、一般に「企業実体の公準」、「会計期間の公準」、「貨幣的評価の公準」の3つが挙げられる。

3.区切りがないと集計ができない。
終りのない企業活動に「計算のための区切り」を設けるという約束ごとを会計期間の公準という。また、企業のもつ資産・負債・資本など貨幣という共通のモノサシによって評価しようという約束ごとが、貨幣的評価の公準という。

4.財務諸表は「見せるため」に作成する。
財務諸表は(損益計算書、貸借対照表など)は、利害関係者に報告するために作成するものだから、財務会計の関するルール、つまり企業会計原則と会計諸法規(まとめて「会計諸則」という。)に従って正しく作成しなければならない。

5.ルールには慣習と法律・規則がある。
財務会計には、財務諸表によって利害関係者に必要な会計情報を分かりやすく、正確に提供することを目的としているため、一定の基準ないし手本が必要になる。これを、会計諸則という。会計諸則のは、「慣習」と「法律・規則」がある。

6.会計慣行とは会計上のしきたりのことである。
会計原則は、会計において一般に定着した考え方だから、必ずしも「文章化」されたものというわけではない。そこで、会計原則をはっきりと認識し、文章化しようという動きが生まれ、企業会計制度対策調査会(現企業会計審議会の前身)によって文章化された原則が、企業会計原則というわけである。

7.車は道路交通法、企業は商法の規定に従う。
運転者は、好む好まざるとに関わらず、道路交通法に従って運転しなければならない。一方、会社は「商法」によって人(法人)として認められた団体だから、「商法」の規定に従わなければならない。
また、作成が義務づけられている計算書類は、当然のことながら商法の計算に関する規定に従って計算・処理されたものでなければならない。

8.料理は調理と並べ方で決まる。
ここで、調理に当たるのが、商法と企業会計原則で、並べ方に当たるのが、計算書類規則と財務諸表規則である。つまり、正しく処理するためのルールが、商法の計算に関する規定と企業会計原則で、正しく表示するためのルールが、計算書類規則と財務諸表規則である。
←【会計情報学】シラバスへ