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企業の会計と基本的なしくみ

【2000.4.14】 【第1回】



1. 形がのあるものが財貨、ないものが用役
財貨 → 具体的な形状えを持っていて、しかも欲望を満足させてくれる物品。
例)洋服、車、家具、ステレオ、時計・・・。
用役 → サービス(生活に役立つ目に見えない効用)を総称したもの。
例)医療サービス、放送サービス、保険サービス、理・美容サービス・・。
*こうした財貨や用役えを創り出したり、移動させたりする活動を繰り返し行っていく組織体 → 企業

2.企業の目的は利潤の追求?
会計学でも経済学でも利潤の追求が企業の目的ではなく、あくまでも企業を維持し、発展させることにある。企業が存続発展していくための手段として、費用を上回る収益、つまり利益を獲得していかなければならない。
これから学習する企業会計は、企業の生命に終わりはなく、ずっと活動していくということを前提(この前提を「継続企業の公準」 という。)にして、すべての約束ごとを決めている。

3.成績表を報告することを企業会計という。

投入資金 → 商品仕入 → 商品販売 → 資金回収、利益

このような経営活動によって、簿記上、取引と呼んでいる出来事が発生する。これら簿記上の取引を、記録・計算・整理して、その結果を企業にとりまく利害関係者に報告する一連の過程を企業会計という。


4.企業会計には2人の兄弟がいる。
・管理会計 → 企業内部の関係者に、経営をよりよく管理するために必要な会計情報を提供していく会計。
・財務会計 → 外部の利害関係者に経営成績と財政状態を報告するための会計。

5.儲けがあったと計算する方法を口別計算という
「1回限りの売買」に限定して計算するというように1回ごとに計算する方法 →口別計算 という。

6.損をしたと計算する方法を期間計算という。
「株で儲けた」、「馬で儲けた」という話は1回ごとに勝負を区切って発言しているが、買いはじめから現在までを通して損益計算したら、話は違ってくる。このように、計算の区切り(会計期間)を設けないと、儲けがでるか、損となるかを計算できない。
財務会計は、企業の生命に終わりはなく、半永久的にその活動を続けていくこと(継続企業)を前提としているから、1年を限度とした計算のための区切りを設けないと損益の計算ができない。それが、財務会計において期間損益計算が基本原理になっている理由である。

7.会計帳簿と無関係に純損益を計算できる。
財産法 → 期末における純資産額(資産合計から負債合計を差し引いた額)を調べ、そこから期首の純資産額を差し引いて、プラスであれば純利益、マイナスであれば純損失とする方法。

期末純資産額 - 期首純資産額 = 純利益(または、純損失)


これは、「当期純利益」の計算式である。資産 = 負債 + 資本 という貸借対照表等式として見たものである。

8.数量を調べる方法には2つの方法がある。
・棚卸法 → 数量を数えるとき、踏台を用意して実際に棚から下ろすような方法。
・誘導法、継続記録法 → 在庫数量を銘柄別に記録した商品有高帳のような帳簿を見る方法。

9.損益法と誘導法は正面と後ろ姿である。
棚卸法は、複式簿記による継続的な帳簿記録を必ずしも必要としないのに対し、誘導法は、帳簿記録がなければ適用できないから、 棚卸法は財産法と結び付き、誘導法は損益法と結び付くことになる。


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