←シラバスページへ《第1回の講義の内容》
第1回ではオリエンテーションとして授業の方針・授業概要・授業計画などの短い説明があった後,ビデオ鑑賞があった。 タイトルは確か「電子立国・日本の自叙伝」。NHKスペシャルとして過去に放送されたもので,内容を簡単に言うと 「半導体の製造プロセス」と「その際に必要な技術」を紹介したものである。
《分かったこと -ビデオ「電子立国・日本の自叙伝」より》
半導体はシリコンの精製・単結晶化→シリコンウエハーの製造→回路の形成・切り取り→ボンディングというように 幾多もの段階を経た上で製造される。(ここに書いた製造段階はかなり省略したので実際はもっともっと多い) しかもこれらの段階全てに高度な技術と精密さが要求されている。シリコンはイレブン・ナインといって, 純度が99.999999999%になるように精製しなければならない。またウエハーに付着した塵ゴミを洗い流すのにも 不純物を徹底的に取り除いた超純水が用いられる。特に回路形成の工程には驚いた。ステッパーという台に乗せられた ウエハーの上に光学装置で微細な回路パターンを何度も照射して焼き付ける。当然何ミクロンのズレも許されない。 ステッパーの変形も想定して室温を0.1℃に保たせるという念の入れようだ。世の中ではPentiumIIIだのAthlonだの PowerPCだのと騒がれているが,「精密で高度な技術があってこそのクロック競争なのだ」と実感した。
日本の半導体技術を陰から支えていたのが実は中堅クラスの企業である。ウエハーを切り取るダイヤモンドカッター, チップとパッケージから生えている足を結ぶための自動ボンディングマシン(ミシンのような挙動をする機械)等々, 開発したのは日本の中堅企業。かつて半導体の生産では世界一だった日本も,韓国や台湾に追い上げられている。しかし 基盤となる技術を提供しているのはそうした日本の中堅企業だという。講義の最後に「日本まだまだ優位に立っている」と 曽我氏はキッパリ言った。
《まとめ》
- 半導体の製造には極めて精密で高度な多くの技術が要求される。
- 半導体産業を陰から支えてきたのは日本の中堅企業である。
《関連サイト -さらに詳しく調べたい方は下記のサイトヘどうぞ》
・半導体ができるまで「TOWA株式会社」
・三菱マテリアルシリコン株式会社
・ビデオ中にも登場した金線ボンディングマシン製造メーカー「新川」
・半導体製造ステッパー&光学機器製造メーカー「栃木ニコン」
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