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コンピュータと人間の関わり3

1999,11,19 第7回

 
 
 

眼球運動
サッケード〜急速な眼球の移動 230ms
輻輳(寄り目)と散開(開き目)〜注視点移動 - 画面が切り替わるたびに繰り返される

<設計原則>
1.注視点から離れた場所や情報を出すときは「大きく」「点滅」「色換え」
2.注視すべき表示はできるだけ同じ位置に
3.画面変更時には注視すべき位置を表示

聴覚
無指向性(注意しなくても入ってくる)、かつ遮断不能
複雑な情報は伝達不可能

<設計原則>
1.入力の催促、エラー発生の警報
2.ユーザの注意を喚起
3.複雑、重要な情報は提示しない

皮膚感覚
圧覚、痛覚、温覚、冷覚それぞれを感じる受容体から伝達
受容体は不均一に分布(特に指先に集中)

<設計原則>
1.重要なキーやボタンの表面には凹凸を
(ex.テンキーの5、キーボードのfj=ホームポジション)
2.薄膜キーやタッチパネルには押し込んだ感覚がないことに留意
→視覚や聴覚でフィードバック(ex.携帯のキー確認オン)
 

(2)感覚レジスタ
受容器に入った情報をそのまま短時間貯蔵するもの
取り込み時間は刺激が強いほど短い

<設計原則>
緊急の情報は「大きく」「明るく」「強く」
 

(3)注意選択器(資料4.2)
注意を向けている情報だけを意識にのせる
同時に複数の話題を処理することは不可能
(パニック→見逃し発生→結局同じ時間がかかる)

<設計原則>
処理すべき複数の情報を同時にユーザへ提示しない

(4)短期記憶
注意選択器を通過した情報を一時的に蓄える
時間がたつと自動的になくなる
反芻(リハーサル)によって保存時間を延ばすことができる
ex.878-1142
維持リハーサル:繰り返し
精緻化リハーサル:意味を考えながら維持(花はいい世に)

記憶容量が少ない
- 努力(リハーサル)しても7±2チャンク、通常は4±1チャンク(チャンク=意味のある最小単位)
意味のあるものの方が保持しやすい

<設計原則>
1.対話作業では5チャンクを越える情報は保持させない
2.保持させる場合「意味のあるもの」「意味の取りやすいもの」を
 

(5)長期記憶
数日から生涯に渡り保持される記憶≒知識(ある程度一般化・抽象化されたもの)
リハーサル無しで再生可能
再生の頻度、(その人にとっての)重要性や強烈度が乏しいと忘却

意味知識とメタ知識
意味知識:具体的な事物に対応した
ex.「CPUとは〜である」、「メモリとは〜である」

メタ知識:やり方、方法に関する知識
ex.「CPU、メモリとはなんであるか知りたければコンピュータ用語辞典を調べればよい」

<設計原則>
1.機能が豊富になると、覚える必要のある意味知識が爆発的に増えてしまう
→意味知識をメタ知識化するツールを提供

新規知識と既存知識
既存知識:すでに獲得している知識
新規知識:新たに獲得する必要のある知識

新規知識の獲得には努力が必要
高齢になると獲得するのに時間がかかる
緊急時には獲得できない(余裕がない)

<設計原則>
既存知識だけで操作できることが望ましい
 
 
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