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分散分析のまとめ


それでは、分散分析の手順をもう一度振り返ってみましょう。

1 一要因の分散分析(データの種類が一つ)

F比を求める → 有意差を調べる → 有意----多重比較

                →有意でない---終了

<分散分析表>(例)

要因

平方和

自由度

平均平方

F比

平均の差

748.63

2

374.32

12.22

偶然の差

1745.55

57

30.62

 

全体

2494.18

59

 

 

2 二要因の分散分析(データの種類が二つ)

二要因の場合、被験者の割り当て方によって3種類の方法があります。

A要因、B要因の二要因の実験で、 被験者が次のように割り当てられたとします。

その一、→二要因の被験者間分散分析(前回はこれ)
A1 A2
B1 B2 B3 B1 B2 B3
村上 石井 山田 安本 今井 新谷
近藤 木村 田中 田辺 吉村 高田
加藤 清水 坂本 井上 磐城 若林

被験者はどれかひとつの条件に割り当てられます(被験者18人)

<方法>

主効果、交互作用のF比を求める

    ↓

交互作用が有意か  →  有意であれば交互作用の分析、有意でなければ次。

    ↓

主効果が有意か   →  有意であれば多重比較

    ↓

有意でなければ終了

<分散分析表>(例)

要因

平方和

自由度

平均平方

F比

要因A

50.417

1

50.417

0.838

要因B

183.750

1

183.750

3.053

A×B(交互作用)

400.417

1

400.417

6.654

偶然の差

3370.000

56

60.179

 

全体

 

59

 

 

その二、→二要因の被験者内分散分析(今回はこれ)

A1 A2
B1 B2 B3 B1 B2 B3
佐伯 佐伯 佐伯 佐伯 佐伯 佐伯
竹山 竹山 竹山 竹山 竹山 竹山
山下 山下 山下 山下 山下 山下

被験者は全条件に割り当てられます(被験者3人)

<方法>

主効果、交互作用、それぞれの偶然のズレを求め、それぞれのF比を求める

    ↓

交互作用が有意か → 有意であれば交互作用の分析、有意でなければ次。

    ↓

主効果が有意か  → 有意であれば多重比較

    ↓

有意でなければ終了

<分散分析表>(例)

                                         

要因

平方和

自由度

平均平方

F比

個人差(S)

5756.43

14

411.17

 

要因A

144.62

1

144.62

2.69

S×A(要因Aの偶然のズレ)

752.63

14

53.76

 

要因B

156.01

1

156.01

5.32

S×B(要因Bの偶然のズレ)

411.24

14

29.32

 

A×B(交互作用)

99.65

1

99.65

6.64

S×A×B(偶然のズレ)

209.96

14

15.00

 

全体

 

59

 

 

その三、→二要因の混合計画

A1 A2
B1 B2 B3 B1 B2 B3
村山 村山 村山 高島 高島 高島
島田 島田 島田 橋本 橋本 橋本
川崎 川崎 川崎

要因Aは被験者間配置。要因Bは被験者内配置。

一つは同じ被験者に割り当てられ、もう一方は異なる被験者に割り当てられるタイプです。これは、要因を被験者が持っている場合に使うとよい検定の方法です。(例えば、性別・年代等)

<方法>

方法は、少し違うので、次で説明します。

二要因の混合計画