3条件以上の分散分析では、F比に有意差がでたら、次にどの条件の間に差がでたのかを調べなければなりません。
そこで行われるのが、多重比較です。多重比較にはいろいろ方法がありますが、ここではLSD法というものを使用することにします。
LSD法は・・・
有意水準(LSDでは、必ず5%)をクリアする最小の幅を計算する。その幅が、条件の差よりも大きければ有意であるし、小さければ有意でないとされる。それを全部の条件の組み合わせについて行い、どこに差が出たかをみればよい。
そこで、5%有意水準で棄却される幅(LSD)を計算で出す必要がでてきます。
そのとき、必要になるのは、有意水準5%のときのt値です。
------t分布表--------
自由度 |
t値 |
50
55
60
∞
|
1.676
1.673
1.671
1.645
|
2.008
2.004
2.000
1.960
|
2.678
2.669
2.660
2.576
|
出現確率 |
0.10 |
0.05 |
0.01 |
有意水準 |
有意傾向 |
5% |
1% |
LSDをだすときのt値の自由度は、分散分析の時の偶然の差の自由度になります。
よって、今の場合、57になります。
自由度が大きいので、57に近い値を表から探すと、55です。
自由度 |
t値 |
50
55
60
∞
|
1.676
1.673
1.671
1.645
|
2.008
2.004
2.000
1.960
|
2.678
2.669
2.660
2.576
|
出現確率 |
0.10 |
0.05 |
0.01 |
有意水準 |
有意傾向 |
5% |
1% |
ここで、5%の境になるt値は、2.004なので、
t値は2.004になります。
t値が分かったところで、LSDを計算してみましょう。
LSDの計算式は下図になります。----LSDでは、偶然の差の平均平方が必要----

例えば、3条件を比較する場合、次の3つのLSDを求める必要があります。
条件 A、B、C のデータ数をそれぞれ NA、NB、NC とすると、
1 
2 
3 
それぞれのLSDとそれぞれの条件どうしの平均の差と比較します。
ただし、各条件のデータ数が等しい場合は、これらはすべて同じ値になるので、どれかひとつ求めれば済みます。
今回の偶然の差の平均平方は、30.62(30.6236…)です。
それでは、LSDを求めてください。
LSDは
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