第7回
試算表



試算表の意味
 総勘定元帳の記入内容は損益計算書・貸借対照表を作成する資料であるから、記入が正しいかどうかを確かめることは極めて大切なことである。
そこで、貸借の各合計額は必ず一致するという貸借平均の原理を利用した試算表を作成して、記入が正しいかどうかを確かめるようにする。

試算表の種類と作成法
 試算表には、以下の三種類がある。
 1.合計試算表   各勘定口座の借方合計を借方欄に、貸方合計を貸方欄に記入し、借方欄、貸方欄を集計して作成する。
 2.残高試算表   各勘定口座の借方残高を借方欄に、貸方残高を貸方欄に記入し、借方欄、貸方欄を集計して作成する。
 3.合計残高試算表   合計試算表と残高試算表を一つの表にまとめたものである。

残高試算表は、資産、負債、資本、収益、費用の各勘定の残高を一覧できるので、経営成績と財政状態の概要を知ることができる。

試算表による誤りの発見
 試算表の貸借各合計が一致すれば、総勘定元帳の記入の正しさが一応確かめられる。
 もし一致しない場合は、次のように試算表の作成手順を逆にたどりながら、不一致の原因を調べる。

試算表では発見できない誤り
 試算表の貸借各合計が一致し、また合計試算表の貸借各合計が仕訳帳の貸借 各合計と一致しても、総勘定元帳の記入が正しいとは限らない。
それは、次に 示すような貸借平均の原理を破らない誤りは、試算表にはあらわれないからで ある。

 なお、一つの仕訳の転記漏れや二重転記による誤りは、合計試算表では仕訳帳の貸借各合計との照合によって発見できるが、残高試算表では発見できない。