講義のツボプロジェクト2001後期
コンピュータアーキテクチャ
■木曜日3〜4限・曽我正和■
演習#8
2001.11.29実施
2001.12.6回答
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下記するような情報処理作業をフォンノイマン型コンピュータに行わせたい。 そのためのプログラムを開発するとき、どんな困難が予想されるか? あるいは別段の困難はなさそうか? フォンノイマンの原理に照らして思うところを書け。 (実際にプログラミングする必要はない)また、コンピュータを使わずに 純粋に人間がやるならどの程度の能力の人間ならやれそうか? (例えば小学校高学年程度とか)
  1. 1000人の従業員の人事データを生年月日の順に並べる。 一人一人に1枚ずつシートがあり、氏名、住所、所属、生年月日、 等が記載されている。コンピュータの場合はHD内のデータを並べ替える作業、 人間の場合は1000枚のシートを並べ替える作業。
    回答例: 処理対象データ(ここでは生年月日)の数値の比較を行い、それを並べ替える ので、特別困難はない。バブルソートなどがある。
    人間が手作業で1000人分を並べ替えるのは、誕生日の大小が分かり、 飽きずに続けられれば小学生でもできる。
  2. 患者の自覚症状を聞いて、その患者の病名を当て、処方を指示する。 コンピュータの場合は患者の自覚症状を入力データとして与える。
    回答例: 自覚症状と病名は1対1に対応しない。 (一定の病名を引き出すアルゴリズムが確定しない) また、自覚できていない症状や、個人差もある。 何度もQ&Aを繰り返したり、別のテスト(採血など)を行ったりする必要もある。 コンピュータでは無理である。(法律でもダメ)
    人間であれば、医師(専門、それ相当の人)でないと出来ない。
  3. 十二支の動物のいろいろな姿を沢山描き込んだ1枚のA3程度の水墨画がある。 この絵の中にウサギが何匹いるかを数える。 ウサギは5匹程度いるものとし、向きや動作はまちまちである。 コンピュータの場合は絵をビットパターンとしてスキャナで読み込む。
    回答例: 水墨画なので白と黒をそれぞれ0と1として隅から1ピクセルごとに読み込む。 しかし、読み込んでも0と1の羅列でしかない。元の絵の全体像を見ることが できない。代表的なウサギの姿(かっこうや耳)をパターンマッチングしても 向きや動作がまちまちなので、すべてのパターンを調べるのは極めて困難。
    人間であれば、ウサギの分かる幼稚園児が出来る程度。



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