論文講読

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担当 並河岳史


 筆者が講読したのは「字幕表示タイミングと英語聴解モデルに関する一考察」という、JCET第6回大会で発表された論文だった。吉野志保(東洋英和女学院大学、人間科学部)が書いたもので、A4二枚のレジュメから内容を読み取ってプレゼン資料を作り、発表するという内容だった。

 まずは論文に書かれていることを理解しなければならなかった。しかし、筆者がこれまで本学部(ソフトウェア情報学部)で履修した授業の範囲から大きく外れた内容だったので時間がかかった。WEB検索でサイトを探して覚えた。

 用語や背景がわかったので、ようやく論文の言っていることが理解できた。どうやら穴のある研究をしているらしいこともわかった。

 資料の作成は難しかった。だいたい自分で研究したわけでもないから、たったA4二枚のレジュメに書かれていないことは想像するしかない。書いた人の過去の論文をあさるという方法もあったらしいが、その時は思いつかなかった。こんな状態からレジュメとプレゼン資料を作るのはなかなか難しい。いい物なんてできっこないと思う。あえてそれをやらせるのは、やはり論文をなんとか理解させるためだろうか。
 その頃、筆者は忙しかった。今も忙しいが、引き受けてしまった以上はやらなければならないので、このツボを書いている。
 そういうわけで、プレゼン資料(PowerPoint)にはけっこう力を入れたが、レジュメは元レジュメを要約するだけに留めた。
 しかし、このレジュメをちゃんと書けと叩かれた。いちおう自分の言葉で書いたんだけどなあ。おそらくレジュメのレイアウトを似せたのがまずかったらしい。あと、自分の名前を書かなかったのは確かにまずかった。

 発表は誰を対象にして発表すればいいのかで悩んだ。学生か、教員か。発表する立場は、あくまで紹介者のポジションをとった。しかしやはり、筆者が背景や用語を理解するのに30分以上かかった以上、それを発表の最初の二分で理解してもらうのは不可能だったようだ。そこに一番力を入れたのだが、あまり実らなかった。



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