感性情報学(Kansei Informatics)
2001年度前期・水曜3時限目
講師:載瑩【授業の方針】
感性情報の概念と基礎を理解し、そして実際に応用することを目標とする。本講義は実例を通じて感性情報処理システムを構築あるいは評価していく場合に有用でかつ基礎的な理論の初歩を学習する。情報学基礎Cの知識が必要である。
【授業の概要】
近年、画像、オーディオ、ビデオ、CGなどマルチメディアを利用して、コミュニケーションや商品デザインにおいて個性を重視するシステムづくりが盛んである。このような背景のもとで、コンピュータも理論的な知識情報だけでなく、感性的な情報の取り扱いが求められている。本講義では、人間の持つ豊かな感性、芸術や創造性などを表現可能とするためのメディア情報処理法について学習する。
【授業の計画】
第1回 :感性情報とは
感性評価のあいまい性と感性データ解析の課題について講義する。
第2〜3回 :感性評価のデータの収集
SD尺度法の概念を紹介する。またはシステムキッチンを例として、感性評価について講義する。第4〜5回 :カラーデザインと感性
カラーイメージスケールを利用し、カラーデザインと感性の関係を紹介する。次はカラーデザインのデータベース化について説明する。第6〜8回 :感性表現間の関係
システムキッチンの表停車平均データを用いて、意味空間を把握するために多用される因子分析を紹介する。そして感性表現間の関係を因子空間の中で把握することを試す。第9〜11回 :デザインと代表感性間の関係
数量理論T類により、デザインと代表感性表現の関係をモデル化する。デザイ ンを与えれば、感性表現による評価レベルを予測することができる。第12〜13回:連想記憶による関係の同定
代表感性表現とデザインとの関係を連想記憶によりモデル化し、そして連想記憶を用いて完成表現からデザインを推論することができる。第14回 :感性インターフェース
感性インターフェース構成のための基礎技術に関して、最近の研究事例を交えて述べる。