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情報システムの歴史

【日付 2000、11、8】 【連載回数 第7回】


その他のライフサイクルモデル

情報システムが企画されてから運用を開始し、廃棄されるまでの過程を システムのライフサイクルという。これは、企画(分析)、設計、実相、運用・保守 といった過程をたどる。
運用を始めた情報システムはやがて廃棄され、新しいシステムにリプレースする 必要がでてくる。これは次のような場合が考えられる。

(1) 業務の変化
対象業務の内容(処理方法)やデータ(量、内容)が変化し、既存の情報システムでは 対応できない。

(2) 情報技術の進歩
計算機の価格性能比の向上や通信手段の発達などにより、新しい情報システムを 導入したほうが費用対効果が良い

(3) 環境の変化
企業合併による情報システムの総合など、情報システムを取り巻く環境の変化

組織において業務は日々改善されるので、(1)の原因は本質的に避ける事はできず、 保守という形で部分的なソフトウェアを修正していく必要がある。
しかし、この修正が度重なると、プログラムが複雑になり、性能の低下や保守が 難しくなり、システムのリプレースが避けられなくなる。したがって、情報システムの 寿命を伸ばすためには、将来を見通し、システムの構成に余裕を待たせておくことが 大切である。
いろいろな情報システムのライフサイクルをまとめた標準的なモデルを ライフサイクルモデルと呼ぶ。企業などにおける情報システムの構築は、いずれかの ライフサイクルモデルに準拠して実施しており、それにより次のような利点がある。

・標準的な開発手順を定め、実際の開発担当者の作業をガイドできる。
・開発者の間でシステム構築に関する共通の「言語」ができる。
・システム構築プロジェクトを管理しやすい。
・開発ツールやドキュメント体系を整備できる。
・作業の標準化や成果物の再利用が可能となる

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