教育SEの基礎をネットワーク管理者研修で学ぶ    

中級:ミニLANを組んで運用する

 情報システム演習B単位認定の条件
 課題はすべて参考書やインターネット等を利用しながら達成して下さい.

受講の際の注意点

  鈴木研究室のLinux用DOS/V機は、全部で3台しかありませんので、予約制とします。計画書を提出する前に、自分の使いたいときを、教員へ伝えてください。先着で好きな場所をとることができることとします。一番最初の計画書提出までに全員が決定していることとします。
予約期間は、各自約4週間とします(第1期〜第3期まで)。期間中に終わるように頑張って下さい.

DOS/V機予約期間
 第1期 5月7日〜5月31日  3名
 第2期 6月1日〜6月26日  3名
 第3期 6月27日〜7月19日 3名

期間以内にできなかった場合は,進んだところまでをバックアップし,第3期終了後にやってもらいます.


課題リスト

2000年8月7日改訂
1.OSのインストールができるようになる
課題

(1)Linux(Redhat6.2)を指定されたDOS/V機へインストールすること。インストールマニュアルを読み、ブートディスクを作成して、FTPインストールすること。linuxのファイルは、岩手県立大学のftpサーバ(ring.iwate-pu.ac.jp)の/pub/linux/RedHat/redhat/redhat-6.2/i386にある。
  インストールは、テキストモードで行う。 ●「Configure TCP/IP」でDHCPを選択、●「Installation Type」ではCustom Systemを選択、●「LILO Configration」はMBRに設定、●「Package Group Selection」では、Networked WorkstaionとDevelopmentのみを選択すること。なお、ハードディスクは、次のようにパーティションを切ること. /=5GB,/tmp=2GB,swap領域を300MBと設定する.
(2)Linuxでネットワーク管理を行うときに、足りないと思われる必要なコマンドがあればインストールすること。利用者としてと管理者としての2つの側面から考えなさい.なお、足りないものがないと思う場合は、必要だと思ったものをリストすること。
(3)LinuxをインストールしたDOS/V機をetサーバのクライアントとしてネットワークの設定をし(DHCPのように動的ではなく、固定IPを振る)、学内LAN及びインターネットと接続すること(まずはifconfigコマンドを用いてネットワーク設定を試み、その内容を踏まえて/etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0、/etc/sysconfig/networkを修正すること)。動作確認には、実際に外部につながるということの他に、必ずifconfigコマンドできちんと自分が振ったIPアドレスになっているかを確認すること。また、再起動後にもネットワーク設定がうまくいっているかを確認すること。割り当てるIPアドレスなど必要な情報については、ほしくなった時点で聞きに来て下さい(何を聞きたいかを考えてくること)。

評価方法 (1)〜(3):プロクターに直接チェックを受ける.行った手順について、それぞれ具体的に記したレポートをTexで作成し、提出する。
合格基準 (1)〜(3):レポートの内容が妥当であること.課題を満たしたLinuxが実際に稼動していること.これらをすべてクリアすること.
想定期間 2コマ
備考 課題をはじめる前に、Linux管理者(見習)として認定され(ソフトウェア演習A〜C及び情報システム演習Aに合格していることが認定の条件)、使用するDOS/V機の指定を受けること 課題(3)の前に、etドメイン参加のための情報を受け取ること

2.デバイスを接続できるようになる
課題

(1)テープデバイス(SCSI)を接続し、tarコマンドを用いて、ひとつのファイルが入ったひとつのディレクトリ(自分で作成)をテープにバックアップをすること。
(2)外付けSCSIハードディスクを接続し、crontabを用いて、適当な周期(例えば3日ごとなど)で、自動的にある領域(Linux管理者が決めること)を増設したハードディスクにバックアップできるようにすること。また、tar以外にどんなアーカイブ化の方法があるかをレポートしなさい。 ハードディスクを利用するためには、fdiskコマンドでパーティションを切り、mkfsコマンドでファイルシステムを作成し、mountコマンドでマウントする必要がある(マウントできたかの確認にはdfコマンドなどを活用のこと) 。

評価方法 (1)〜(2):プロクターに直接チェックを受ける.行った手順について、それぞれ具体的に記したレポートをTexで作成し、提出する。
合格基準 (1)〜(2):レポートの内容が妥当であること.課題を満たしたLinuxが実際に稼動していること.これらをすべてクリアすること.
想定期間 1コマ
備考 それぞれの課題の前に、使用するデバイスの指定を受けてください。課題(1)の前には、DATテープ一本を配布します。 この課題は(1)〜(2)を順番にする必要はありません。

3.自分のWS(Solaris)のネットワーク設定を説明できるようになる
課題

(1)自分が管理しているWS(solaris)で動いているネットワークのサービスをあげなさい(動いているプロセスや、参考図書、これまでの自分の経験を踏まえて考える).また,その中でネットワーク設定に最低限必須と思う項目をあげなさい.
(2)自分が管理しているWSで,DNS、NFS、NISを設定している部分はどこか?(もしくは動いているプロセスは何か)?特にその設定により,自分のWSで何ができるようになっているのか(どんな恩恵を受けているのか)を示しなさい。なお、これらのすべてがクライアント用の設定になっていることに注意すること。
(3)Linuxの/export/localを自分のWSの/export/local/linux(ディレクトリを新たに作成)へNFSマウントしなさい. これには、Linuxにnfsサーバをインストールし、稼動させる必要がある。また、NFSクライアント側のWSでは、mountコマンドでNFSマウントできればよい。
(4)自分のWSのIPアドレス(172.16.159....)を用いて、学外のマシンからインターネット経由で接続しようとしても絶対につながらない。ファイヤーウォールによって学外からのアクセスを制限しているという理由もあるが、IPアドレス自体が学外で認識されているものではない(本来、マシンにふられるIPアドレスは、世界中でただひとつのものであり、他に重複するものもがない)。学内ネットワークシステムのFAQ(学内ページにある)の2728学内ネットワークの紹介を参考にしながら、この理由を説明しなさい。外部からのアクセスのために、メディアセンターのグローバルIPアドレス申請がなぜ必要なのかも考えてみるとよいでしょう。

評価方法 (1)、(2)、(4):Texで作成したレポートを提出する。(3):プロクターに直接チェックを受ける.行った手順について、それぞれ具体的に記したレポートをTexで作成し、提出する。
合格基準 (1)〜(4):レポートの内容が妥当であること.LinuxからNFSマウントされたWSの指定されたディレクトリにアクセスできること
想定期間 2コマ
備考  

4.Linuxとパソコンとのイントラネットを構築できるようになる
課題

(1)下記の課題のネットワークを実現するためには,どのようなネットワークを構築する必要があるのかを,LAN構築計画書を提出しなさい. −最低条件:Linuxがサーバであり,Windowsノート型がクライアントであること. どんなIPアドレスを振るのかや、含めるサービス:web,ftp,telnet,ファイル共有(samba)。その際、必ずネットワークの構成図を書くこと。
(2)ネットワークケーブルを必要な長さ分だけ作り,HUBを使って物理的にマシン同士を物理的に接続しなさい.なお、HUBにはそれ以外は接続せず、閉じた空間(インターネットに接続していない)とすること。(つまり、HUBにつながっているのは、Linuxとクライアントマシンのみということ)。
(3)接続したマシン(ノート型)にIPアドレス(Linux管理者;自分が決定する)を振り,お互いにpingがあたるようにしなさい.(Linuxのサーバとしての設定もここで行うこと:/etc/hostsへのクライアントマシンの登録など)。
(4)webサーバ、ftpサーバ、telnetサーバを稼動し,クライアントからアクセスできることを確認しなさい. ftpとtelnetの確認には、新しいユーザアカウントをひとつ作成して、それを使ってログインしてみること。なお、ftpとtelnetのサーバはinetdを利用して、アクセスがあったときに自動的に起動するように設定すること。対して、webサーバは常時デーモンとしてアクセスを待ちつづけるようにすること。
(5)/shareをWindowsクライアントから共有できるように,sambaを稼動させなさい. ドメイン名や共有時のパスワードの入力のあるなしは、自分の好きにしてよい。

※外部との接続は絶っているので、必要なものはすべてCD-ROMよりインストールする(CD-ROMのRedHatディレクトリのRPMSにある)か、もしくは外部との接続を絶つ前にftpを利用して入手し、インストールすること。webサーバ(Apache)については、必ず最新バージョンをftpにより入手すること。

評価方法 (1)LAN構築計画書の提出.LAN構築計画書の承認を受けた後,(2)以降へ進むことができる. (2)〜(5):プロクターに直接チェックを受ける.行った手順について、それぞれ具体的に記したレポートをTexで作成し、提出する.
合格基準 (1):LAN構築計画書の内容が妥当であること。(2)〜(5):レポートの内容が妥当であること.課題を満たしたLANが実際に稼動していること.これらをすべてクリアすること
想定期間 3コマ
備考 LAN構築計画書の承認を受けた後、使用するクライアント(Windowsノートパソコン)の指定を受けること

5.インターネットへ:上位LANとの接続できるようになる
課題

(1)前回の課題で作成したLANを上位LAN(et)と接続するために必要な情報について考え、そのリストを提出すること.また,上位LAN(etサーバ側)で設定の必要なものがあれば、そのリストも同時に提出すること。 最低でも、LinuxとWindowsクライアントの双方からDNSサービスが利用でき(WindowsクライアントのDNSはLinuxに設定する)、ドメイン名を用いてで外部のマシンにアクセスできるものとすること。 DNSは、etサーバ(DNSプライマリサーバ)のセカンダリサーバとして動作させること。
(2)(1)で提出した項目リストに対する返答を参考にし、ネットワーク設定を変更し,実際に外部と接続しなさい.また,接続できたことをサーバ側,クライアント側から確認しなさい.

※etサーバ: jaja.et.soft.iwate-pu.ac.jp(172.16.158.30) etドメイン:et.soft.iwate-pu.ac.jp(172.16.158.0/255)

評価方法 (1):リストを提出(2):プロクターに直接チェックを受ける.行った手順について、それぞれ具体的に記したレポートをTexで作成し、提出する.
合格基準 (1):リストに必要な情報がすべて含まれていること。(2)レポートの内容が妥当であること.課題を満たしたLANが実際に稼動していること.これらをすべてクリアすること
想定期間 2コマ
備考 ネットワークの設定は、提出したリストへの返答のみにもとづいて行うこと。

参考書

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