産業革命



 

定義:産業の技術的基礎が一変し、小さな手工業的な作業場に代って、機器設備による大工場が成立し、これとともに社会構造が根本的に変化すること。産業革命を経て初めて近代資本主義経済が確立1760年代のイギリスに始まり、1830年以降、欧州諸国に波及。


解説歴史的には、一八世紀イギリスで開始された工業生産の革命的発展。毛織物生産から綿織物生産へ、さらにこれを支える機械・運輸工業などの発展と、流通と金融のシステムの整備によって、産業全般の飛躍的進歩が記された。この背景にはさらに、農業の発展にともなう富の蓄積と、安価な労働力の年への流出、そして市民革命を経過した社会的・精神的自由の定着など多数の条件がみたされる。これによりブルジョワは資本主義生産を確立させ、生産の規模拡大への可能性を確信しうるにいたった。産業革命はやがてフランス・ドイツ・イタリア・アメリカに波及し、産業発展競争を惹起する。ただし、その発展は資本主義生産内における社会・労働問題をも引き起こしたこれらの革命を第一次産業革命ともよばれ、一般には繊維産業を中心とする軽工業を発展させたが、十九世紀後半になると鉄鋼を中心とする重工業の進展からくる第二次産業革命がおこった。
 



 

参考文献: 新村出 『広辞苑 第五版』 岩波書店 1998

自由国民社 『現代用語の基礎知識 1999年版』 自由国民社 1999

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