キーワード1

メディアはメッセージである


定義

  1. 「メディア」というものに対してマクルーハンが提示した命題
  2. この用語をもじって,「メディアはマッサージである」とも言っている

解説

  1. Marshall McLuhanがその著書「UNDERSTANDING MEDIA The Extensions of Man」(和訳:メディア論)において「メディアはメッセージである」と定義した.これは,「情報を伝達するメディアそのものが,また情報である」と解釈することができる.即ち,同等の情報が与えられたとしても,その情報を与えたメディアによって,受容者が情報に対して得る感覚がことなる,ということである.
          しかしマクルーハンによると,メディアはテレビや電話や書物と言った類いのものだけではない.それら装置に含まれる電気音や電気光や活字もまたメディアである,ということになる.
          総じてメディアは,内容以前にそれを運ぶ媒体が人間や社会に影響を与えるものであり,いわばメディアそのものが本質的なものである,という事ができる.この理論では,例えばテレビが何を映そうともその影響力は同じである,ということになる.
  2. マクルーハンはまた,「メディアはマッサージである」とも言っている.もちろんこれは「メディアはメッセージである」をもじったものであろうが,それ以上に深い意味があると思われる.メディアは,我々の社会の至るところに存在している.つまりメディアは常日頃から我々の五感を刺激を与えている,ということになる.メディアはマッサージの如く,我々人間を揉みほぐしてくれる動的なものであると言えよう.事実,メディアは人々をつかみ,揺すぶり,転がしまわしマッサージしている.
          従来のメディア論や情報化論議では,メディアの「メッセージ性」は多く語られてきたが,「マッサージ性」についてはあまり語られていなかったという.しかし,生活,特にレジャーにおけるメディアの役割を考えると,今後十分注目するに値する観点であるといえる.

参考文献

メディア論,M.マクルーハン,みすず書房,1987
マクルーハンの世界,竹村健一,講談社,1967
http://juce.shijokyo.or.jp/LINK/rinri/chap4.htm(8/7,2000)
http://www.asahi-net.or.jp/ipu/users/HI8K-AKO/riki33.htm(8/11,2000)
http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/ipu/users/yamaguci/inet_lec/lec02/McL05.html(8/11,2000)

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