2000年度メディア論グループ作品
「5つのキーワードでメディア論を語る」ネチケット [Netiket]
定義
ネチケットの概要と経緯
ネチケットが造語であるように、そもそもネチケットとはインターネット(ネットワーク上の)エチケットのことです。また、ネチケットは法律ではなく、ネットに関わる人々の間で自然と成立したマナーの総称です。
かつて、今日、インターネット利用者の共同社会には初めてその環境を体験する人々が含まれています。これらの「新参者(Newbies)」は、その文化に慣れておらず、情報転送やプロトコルについて知る必要を感じていないのが殆んどです。これらの新しいユーザを早くインターネット文化に導き入れるためには、ネチケットのガイドライン(指針)では、各組織と個人が自分自身の使用のために採用し、誰もが適合化できる最小限の組み合わせを提示します。インターネット・アクセスを提供しているのが誰かに関わらず、各個人は、その組織の持つ、メールとファイルの所有権および適切な投稿・送信のしかた、自分自身を表現するためのやり方についての規則を知る必要があるでしょう。その結果としてネチケットのガイドラインを制定したのです。
解説
各メディアの特徴とによるネチケットの一例1.電子メール、トーク※などの1対1の通信
ある個人が別の個人に面と向かって会話するように通信すること、つまり対話のことを1対1の通信と定義する。人々と付き合うための常識的な礼儀作法は、一般にどんな場合でも尊重するべきであるが、インターネットの場合には、身振りや声の調子を推測させることしかできないなどの理由から、その重要性が2倍になる。※トーク:ネットワークで構成される端末を利用して会話が可能なプロトコル
ネチケットの一例(メール)
受け取る相手に対する気配りを心がける必要がある。多くのメーラ(電子メールプログラム)は、あなたの差出人アドレスを含むヘッダ情報をはぎ取るため、あな たが誰であるか他人に確実にわかるようにするために、あなたのメッセージの終わりに1行か2行の連絡先情報を必ず入れると良い。事前にそのファイルを作っておいてメッセージの最後に付け加えることもできます(いくつかのメーラは、 自動的にやってくれます)。インターネット用語では、これは「.sig」とか「署名(signature)」ファイルとして知られています。あなたの署名ファイルは、名刺の代わりになります。(また、状況によって複数の署名を使い分けることもできます。)ネチケットの一例(トーク)
交信を打ち切る前には、常にグッドバイなどのお別れの言葉を言い、相手からのお別れの言葉を待ってから切りましょう。このことは、遠く離れた相手と交信しているときには特に重要です。あなたの交信を実現するためには、双方のバンド幅(通信パイプの太さ)と伝送時間(光の速度)によって交信に差が生まれている。2.1対多の通信(メーリングリスト、ネットニュース)
自分が1対多の通信をする時には、メールに関するすべてのルールも常に適用しなくてはならない。1対1の通信の場合よりもはるかに多くの人を傷つける可能性があることを考慮すれば、結局、一つのメール・メッセージや投稿で多くの人 と通信することと、1人の相手と通信することはとてもよく似ている。したがって、あなたのメッセージの読者についてできるだけ多くのことを知っておくのは、重要なことである。ネチケットの一例(メーリングリスト)
参加申請(subscribe)、脱退申請(unsubscribe)のメッセージは適切なアドレスに送りましょう。いくつかのメーリングリストソフトウェアにはこれらをキャッチできるほど賢いものもありますが、すべてが探し出せるわけではありません。メーリングリストがどのように機能しているかを学び、正しいメールを正しい場所に送るのはあなたの責任です。非常に多くのメーリングリストが -requestをつけたアドレスで参加脱退申請を受け付けるように設定してはいるものの、全部がそうしているわけではありません。参加しようとするメーリングリストで使われている方式を必ず調べておきましょう。ネチケットの一例(ネットニュース)
ネットニュース用語の中で、「投稿(Posting)」は、1つの新しい記事を1つのグループに投稿すること、または他の誰かが投稿した記事に返答すること〔フォロー〕を意味する。「クロスポスト」とは、1つのメッセージを複数のグループに投稿することです。あなたがあるグループにクロスポストを紹介したり、記事のヘッダに「Followup-To:」を指定するときには、読者に警告することです。読者は、たいていの場合そのメッセージが特定の1グループに投稿され、フォローはそのグループ内に掲載されるものだと考えています。ヘッダ情報でこの動作を変更できます。
3.情報サービス(Gopher, Wais, WWW, ftp, telnet等)
様々な用途に対応した様々な情報サービスが発展、普及している。Gopher, Wais, World Wide Web (WWW), Multi-User Dimensions (MUD), Multi-User Dimensions which are Object Oriented (MOO) ※はこれらの新しい分野の氷山の一角です。情報検索能力は肥大化しているが、「利用者側の危険負担責任」 (Caveat Emptor)は不変に残っている。※MUD MOO IRC等 : リアル・タイム対話サービス
ネチケットの一例(WWW等)
インターネットは地球を渡り歩くものですから、情報サービスはあなたの属する社会とは著しく異なった文化や生活様式を反映するかもしれないことを覚えておきましょう。あなたにとって不快な文書を見つけたとしても、実はそれが許容されている地域から発信されたものかもしれません。いつも寛大な心を保ちましょう。ネチケットの一例(リアル・タイム対話サービス)
あるユーザがニックネームや偽名を使っている時には、名前を隠したいという本人の希望を尊重しましょう。たとえあなたとその人が親しい友人であっても、彼のニックネームを使う方がより礼儀正しいことです。本人の許可なくその人の本名をオンラインで使ってはいけません。
これらはほんの一例ですがネチケットの全てを覚える必要はないと思います。匿名性が顕著になりがちなインターネットですが、通常の社会生活と同じく、相手(組織)のことを思いやる気持ちこそが肝要なのではないでしょうか。
その点さえ心掛けていればネット上でも自然と他人に対して配慮のある接し方ができるはずです。
参考文献
インターネットを利用する方のためのルール&マナー集
ネチケットガイドライン(日本語版)担当者 : 白澤 敦