定義
イギリスにはじまった産業化が、技術の伝播に伴って次々と他の地域に広まっていくことをいう
解説
18世紀イギリスの(第一次)産業革命にはじまった産業化は、19世紀中頃にパックス・ブリタニカというイギリスを唯一の先進国かつ先発国とした「世界システム」を誕生させた。イギリスに自生したこのような産業化の波は、技術、資本、商品、人口の国際移動を通じて、ドイツ、フランスなどの大陸ヨーロッパ諸国とアメリカへ伝播し、これらの諸国の産業化を促した。19世紀における中心国イギリスの工業成長の性格を「自生的」と名付けるならば、それに続く周辺諸国の産業化は、中心国のインダストリアリズムの強い影響下におかれ、多かれ少なかれ「他律的」な性格を有した。アメリカやドイツなどの当時の周辺諸国の産業化は中心国からの技術移転によって開始されたのである。そして、20世紀初頭には、ドイツまた、アメリカが先進国の仲間入りをする。パックス・アメリカーナの到来である。このような、「中心国―周辺国」の技術移転はその後も続き、20世紀後半に入り、今度は日本が先進国の仲間入りを果たした。"Japan
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1"など、日本の産業化および産業技術が高く評価される時代が訪れた。そして、いまアジアNIESや、ASEAN諸国が猛烈な産業化を行っており、「21世紀はアジアの時代」とまでいわれている。このように、18世紀にイギリスで産業革命が起こって以来、今日までの世界経済は、先進国の技術を後進国が吸収・改良し、新たな先進国へと発展していく歴史だった。このように、産業化は、質的・量的に深化・拡大しつつすすんできた。
産業革命の歴史
第1次産業革命(18世紀末) 石炭エネルギー,製鉄,鉄道
第2次産業革命(19世紀末)
プラスチックなどの新素材,石油,電気エネルギー,自動車,家電製品
第3次産業革命(20世紀末)
近代産業社会高度情報化社会、ネットワーク化されたコンピュータ産業の情報化,電子化
参考文献
http://www2a.biglobe.ne.jp/ipu/users/kenzo/revolution2.html
http://www2.jiu.ac.jp/%7Een/fukushi/tsld001.html
[制作者] 依田昌大
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