NHK〜日本放送協会〜

1.NHKの歴史  
2.NHKのメディア
3.受信料制度   

はじめに.NHKの定義

NHKとは「日本放送協会(Nihon Housou Kyoukai)」のこと。
いかにも、何かの外国語の略っぽく思えて、その実は何てことはないローマ字だった。


1.NHKの歴史

1925年3月22日。東京放送局が、仮放送を開始した。続いて同年6月1日に大阪放送局が仮放送を開始、7月15日に名古屋放送局が本放送を開始。そして、翌年の8月20日。前述の3局が合同して社団法人日本放送協会を設立。NHKの誕生である。
時代は流れ、1950年。放送法による特殊法人「日本放送協会」発足。
そして、1953年にはNHKによるテレビ放送が開始された。
その後、1960年カラーテレビ本放送開始。日本で2度のオリンピックが開かれ、音声多重放送、衛星放送、文字放送、ハイビジョン放送などのサービスが、次から次へと登場する。
これらは、科学の進歩と共に発展し、成長を遂げてきたといえるだろう。


2.NHKのメディア

NHKと一言に言うが、そこには様々なメディアがある。
まずは、テレビ。
総合テレビ 「基幹的な総合放送波」として、国民生活に不可欠なニュース・情報番組や、創造的な文化・教養番組、さらには心なごむ娯楽番組などの調和ある編成を行っています。
教育テレビ 放送開始から40周年を迎え、「豊かな心をはぐくむ波」として少年少女向けの番組をはじめ、各分野の番組を大幅に刷新し、内容の充実を図っています。また早朝と深夜の放送時間の拡大などを行って、時間帯ごとに対象とする視聴者層を明確にし、「人生を豊かにする波」「文化を育てる波」として、視聴者の皆さんのより広範囲なニーズに対応しています。さらに、昨年開始した字幕放送をいっそう拡充し、「人にやさしい放送」をめざしています。
地上波としては上記の二つがあり、二つあるおかげで臨時の特番などが入っても、片方(主に教育テレビ)は通常通りの番組を放送できる。また、スペシャル番組などがほとんどないため、いつでも同じようなスケジュールで番組が放送される。そのため、安心して見ることが出来るだろう。
衛星第1テレビ 「内外総合情報波」として、ニュースや良質なドキュメンタリーの魅力あふれる番組づくりに努めるとともに、大型のスポーツ番組を積極的に編成してスポーツファンの期待にこたえています。
衛星第2テレビ 「第一級の娯楽や芸術、文化を紹介する波」として、特集編成に力を入れるほか、国内はもとより海外のすぐれた番組も充実させています。あわせて地上波の難視聴地域の方に向けての放送サービスも行っています。
ハイビジョン 高精細度放送が中心となるBSデジタル時代に向けて、高画質・高音質の特性を十分に活用した臨場感あふれる番組をお届けしています。
上記3種の衛星放送は、きれいな映像と音声をいかし、地上波とはひと味違った柔軟な編成で、幅広いニーズにこたえている。また、地上波に比べ電波障害が少ないため、地上波難視聴地域の人でも楽しむことが出来るようにとの配慮もあるらしい。
時代は比較的新しく、これから先も進歩する分野と言えよう。
そして、忘れてはならないのが、NHK発足の基となったラジオ。
ラジオ第1 「生活情報波」として、ニュース・生活情報を中心に多様な情報をきめ細かくお伝えします。また災害など緊急報道に迅速・的確に対応するため柔軟な編成を行い、「安心ラジオ」としての役割も担っています。
ラジオ第2 音声放送の特性をいかした「生涯学習波」。語学を中心とした講座番組や教養番組のほか、外国語によるニュースといった在日外国人向けの放送なども行っています。
FM 高音質の特性をいかした「総合音楽波」。クラシック音楽を中心にさまざまなジャンルの音楽番組を編成するとともに、地域放送も充実させています。
こちらも、3つの電波をうまく使いこなしていると言えよう。
このように、NHKでは多くのメディアに、それぞれの役割を分担させている。
そのため、あまり時間帯にとらわれず、音楽が聞きたくなったらFMラジオ、ニュースが見たかったら総合テレビといったことができる。


3.受信料制度

NHKと言えば、受信料。受信料と言えば、NHK。他の放送局では受信料を取らないのに、なぜNHKだけ受信料を取るのであろうか?
そこには、こんな決まりがある。
放送法第32条
協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備又はラジオ放送(音声その他の音響を送る放送であつて、テレビジョン放送及び多重放送に該当しないものをいう。)若しくは多重放送に限り受信することのできる受信設備のみを設置した者については、この限りでない。
つまり、NHKを見ることが出来るならば、受信料を払わなければいけないのだ。受信料によって、NHKの放送は支えられている。受信料無くして、NHKはありえないのだ。
が、他の放送局では受信料は取っていない。それはなぜか?
NHKと民法との大きな違い、それはCMの有無である。民放各社は番組の途中にはさむCMの放送料によってまかなっているのだ。CMを流してもらう方は、多大な金を払いCMを流してもらう。そして、消費者は番組を見ていてCMに心引かれその商品を買うのだ。こう言ったサイクルは民法ならではのモノであり、NHKではCMを流したりしない。
また、NHKが信用されるのもこの受信料あってこそである。


担当:坂下 智洋
参考文献―――NHKホームページ http://www.nhk.or.jp/