2000年度メディア論 グループ作品
「5つのキーワードでメディア論を語る」イエロージャーナリズム [Yellow Journalism]
定義
イエロージャーナリズムとは?
〔1890年代のニューヨークで、ピュリッツァーのワールド紙とハーストのジャーナル紙が黄色い服を着た少年の登場する漫画「イエローキッド」を奪い合って載せたことから〕扇情的な記事を売り物にする新聞。イエローペーパー。赤新聞。原在では新聞だけでなくあらゆるメディアによるの過熱気味な誇大表現や扇情的な表現も指している。また、競争原理が働いていることが多い。
解説
メディアの過熱は現在でも続いている。その結果、表現者の主観で記事を掲載したり、報道することが多くなり、個人のプライバシーに関わるような記事や、企業や国家の漏洩した機密事項等の情報から一般社会へと公開するという事態は今後もあり得ない話ではない。こういうことは今後も有り得る可能性はあるだろう。メディアの「餌食」となった人や組織に対し、第3者が救済の手を差し延べることは難しい。起こってしまってからでは遅いのだ。例を挙げると英国のダイアナ元王妃とスクープカメラマンによって構成されるパパラッチとの関係である。事実として、元王妃のプライバシーに関わるような部分まで、執拗にしかも無許可で撮影を行ったり、記事として投稿するといった事態がパパラッチらの過剰なまでの活動によって引き起こされている。そのことが原因で元王妃が自動車事故に巻き込まれ、悲しい結末に至ったにのではないかという見解さえ出ている。しかし、そのような出来事に追い討ちをかけるように事態は一層深刻だ。なぜならインターネットが普及する前までは、テレビや新聞、雑誌などの媒体によって情報を摂取し、内容については制作者側が責任を持つ物であったが、インターネットのように世界を舞台にすることが可能なマルチメディアの登場によって、個人レベルでの情報発信が可能になっている。インターネットでは、警察や管理者は望ましくない情報の公開について厳しいチェックを行っているが、逃げ道を作ったり、閉塞されたネットワーク等の手段によってその厳しい網の目をかいくぐっているといった行為もある。以上のような事情からインターネットを利用した情報公開は情報の発信者が分かりにくく、情報の確証すら得にくい。
今後、イエロージャーナリズムの問題については慎重に取り組んでいくべきではないだろうか。
参考文献
大辞林第2版
毎日新聞インターネット事件取材版
メディアの世紀 浜野保樹 著
担当者 : 白澤 敦戻る