岩手県立大学ソフトウェア情報学部
2000年前期(木・5)
担当:鈴木克明(ksuzuki@soft.iwate-pu.ac.jp)
■講義の目的・概要(シラバスより)■
高度情報化社会における情報基盤としての電子メディアの役割を理解させるため,電
子メディアの変遷,電子メディアとヒューマンコミュニケーション,電子メディアの
社会に及ぼす影響及びマルチメディアの利用形態などを講義し,将来のマルチメディ
ア社会を展望する。
■担当者からのメッセージ■
講義は口頭伝承メディア。大学は知識伝達メディア。コンピュータは計算機からデータ処理装置を経てメディアになった。大学生(元メディア・キッズ?)として、またコンピュータの専門家になる人として、「メディアとは何か」についての学びを深めて欲しい。電子メディア時代にふさわしい学び方で、メディア・リテラシーを身につけるために。
*後期(金・3)には、小林講師による「メディア論」が開講される。同じ講義は1度しか履修できない(放棄・不合格を除く)ので、前期に割り当てられた人で、後期の受講を希望する人は申し出ること。
■評価■
この講義では、覚えなければならないことは何もない。よって、試験はない。一方で、この講義では、自分が選んだことについて、「とことん調べて、深く考えたなぁ。」という満足感を得てもらいたい。その結果として、試験はなくても結構物知りになってしまうはずである。次に示すもので評価する。
1.個人レポート(30%)
レポート課題:この講義で学んだことを3つ述べよ。(この講義を通して、自分にとって何がためになったかを振り返り、自分にとっての重要度の順に3つのことを取り上げ、「それが何か」を簡単に解説し、「なぜ重要だと思ったのか」を説明すること。この講義に関連していることという範囲の中にあれば、何を取り上げるかは主観的な重要度順に委ね、評価の対象としない。字数制限なし。期限8/13。提出方法は3を参照のこと。)
2.講義コメント(30%)
毎回の講義に対しての感想、質問、意見などを提出する(ミニ課題への回答を含む)。コメントボードへの書き込み叉はメールになる予定。
3.グループ作品「5つのキーワードでメディア論を語る」(40%)
【昨年度の実績は以下の通り。今年度は変更する予定;追って通知する】
グループ(1〜3人で任意に構成)で協議・分担して、「メディア論」で最も重要であると思われるキーワードを5つ選択し、その解説を提出する。キーワードは、別に提示される「メディア論キーワード候補リスト」を参考にして、グループで協議して選択すること。リストのキーワードよりもさらに重要であると思われる別のキーワードを含めることもできる。キーワードそれぞれには、(1)定義、(2)理由(解説)、(3)参考文献の3つの要素を必ず含め、執筆担当者を明記すること。ベスト5に漏れたキーワード最終候補いくつかについて、それらを選ばなかった理由を付記すること。
提出の形態:グループで選択したキーワード一覧から7+α個の別ファイル(漏れたキーワードリストを含む)へのリンクが張られたHTML形式とする。グループのトップページにはメンバーの学生番号と氏名を明記し、それぞれの個人レポートへリンクしたものであること。グループのすべてのファイルは、全個人レポートを含んで1フォルダに格納すること。特に申し出がない場合は、担当者のWebサイトでの公開に同意したものとみなす。
■講義予定(暫定)■
4/13 メディアについて学ぶということ〜メディア論序説〜
4/20 メディアとは何か?〜定義を提出するということについて〜
4/27 マルチメディアとは何か?
5/04 (国民の休日)
5/11 社会問題としてのインターネット
5/18 ネティズンの条件〜情報リテラシーをもつ
5/25 マスメディアとは何か?
6/01 編集とは何か〜やらせと中立公正
6/08 騙されにくい人になる〜メディアリテラシーをもつ
6/15 パーソナルメディアとは何か?
6/22 表現することと携帯すること
6/29 視る=視られるの関係変化
7/06 ディジタル・メディア社会での学び〜メディア論あとがき〜
7/13 メディア論のキーワードを探る
8/13 レポート提出〆切
■テキスト■ なし(講義用のWebサイトで必要な情報を提供する予定)
■参考文献(一部の書籍のみ)■
井上俊 他(編)(1995)『メディアと情報化の社会学』岩波書店
井上輝夫・梅垣理郎(編)(1998)『メディアが変わる 知が変わる』有斐閣
金澤寛太郎(1997)『現代のメディア環境』学文社
佐藤卓己(1998)『現代メディア史』岩波書店
武色光裕(編)(1998)『メディアの遺伝子』昭和堂
成田康昭(1997)『メディア空間文化論』有信堂
吉見俊哉・水越伸(1997)『メディア論』放送大学教育振興会
■キーワード候補(一部)■
複製技術 口述筆記 活版印刷技術 グーテンベルク 産業革命 一回性 場所性 大学出来事性 グローバルビレッジ 「メディアはマッサージである」 マルチメディア 対抗文化 「第3の波」 情報リテラシー ネティズン 情報格差 FCC 公正の原則 品位法 新聞 ラジオ テレビ 写真銃 NTSC 「三種の神器」 国民化メディア 第4の権力 欲望の創出装置 やらせ 疑似イベント ビデオ・ジャーナリスト 編集 メディアリテラシー 課題設定機能 沈黙の螺旋仮説 カラオケ ポケベル モニタ機能コンピュータゲーム 携帯電話 電話放送 伝言ダイヤル オフトーク通信 身体性