GIFは、1978年に米国の商業ネットワーク会社である「CompuServe」が、
グラフィックデータを圧縮、解凍する方法として発表した規格です。現在、GIFはグラフィックデータの保存形式として画像関係のソフトウェアで
広く利用されており、World Wide
Web上の多くの画像はこのGIFを用いて保存されています。 何故、これを排斥する運動が起こったのでしょうか……
※LZWライセンス問題とは GIF形式は、1978年に生まれてから最近まではフリーの技術でした。しかし、World Wide
Webが世界中に広まり、その上で使われる多くの画像がGIF形式を使っていたことから、 UNISYSという会社がGIFイメージを作成または表示するために使用される
「LZW」というデータ圧縮アルゴリズムに対して特許を取得し、これを使う場合は同社に対してライセンス料を払うようにすることとしました。
技術に対してお金を払うのは正当で当たり前のことであり、その点について文句は言えませんが、多くのユーザーは、
「10年以上前に作った技術を何で今ごろになって急にライセンス料取り始めるの?Web上でGIFが氾濫し始めたから、
これで儲けるしかないってこと?」というような印象を受けました。
ライセンスに関する日本UNISYS社の発表(以下抜粋:http://www.unisys.co.jp/LZW/)
日本において米国UNISYS社のLZWに関する特許が成立していますので、GIF、TIFF−LZWあるいは他のいかなる
形式においてもLZWを利用してソフトウェアまたはハードウェアを開発される場合には、米国UNISYSからライセンスを受ける必要があります。
市販のペイントソフト、ブラウザーソフト等を購入されて、ご利用されているエンドユーザにつきましては、そのソフトウェアがエンドユーザに
正式にライセンスされている限り、基本的に米国UNISYS社よりライセンスを取得する必要はありません。 しかし、そのような市販ソフトウェア
の開発会社または販売会社がLZWの利用につき米国UNISYS社とライセンス契約を締結していない場合には、エンドユーザにおいてLZWに関する
機能がご利用できない可能性があり、この場合、その様な機能のご利用を希望される方は米国UNISYS社とライセンス契約を締結頂く必要があります。
その他、ユーザの方がソフトウェアを開発されるためにLZWを利用した開発ツールを利用する場合があり、当該開発ツールを
ご利用される過程でLZWを利用する機能が開発されるソフトウェアに組み込まれる可能性が考えられます。
この場合は、開発ツールのユーザの方であっても、開発および開発されるソフトウェアの配布について、
米国UNISYS社との間でライセンス契約を締結頂く必要があります。 |
このようなことから、一部のユーザーの間から、自分のホームページ上やWEBサーバー上で、LZW技術を使用しているGIF画像を使わないようにしようという運動がおこりました。 ちなみに、このWEBサイトでもGIF形式は使用していません。
現在、GIF形式に代わる画像圧縮形式として、PNG(ピング)という形式があります。(詳しくはここ)PNGは、「Portabke Network
Graphics」の略で、完全にフリーの圧縮技術です。JPEGとは違い可逆圧縮であり、GIFでも不可能だったことが
可能になっています。256色の壁がなくなり、透明色もサポートしています。また、γ補正が可能になったことも挙げられます。
圧縮率はLZW法よりも高いLZ77方式を使用しています。この方式はW3C推奨のものですので、 今後普及することは間違いないでしょう。
ただ難点としては、ブラウザが現時点で完全にPNG形式に対応してはいないということです。
また、アニメーションGIFのようなことが出来ないこともあります。これは今後MNG形式が出ることに期待するしかありません。 |