「メディア論」重要キーワード5解説 |
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自己離脱感 |
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(1)定義
自己が自己から分離して異なる宇宙へと没入していくような感覚
(2)理由(解説)
メディアと接続することによって別の感覚状態へと移っていくこと、
つまり感覚が変容するということです。つまりそれは、ひとつの身体
的な現象です。いや、むしろそれは心的な現象というべきなのではな
いか、という反論も可能かもしれません。しかし、メディア論におい
てはまず、メディアに接続する身体という言い方自体に端的に現れて
いるように(つまりそこでの「身体」は、「精神」のない単なる「物」
などではなく)、人間において精神と物体(身体)をべつべつに考える
のではなく、知覚の対象として身体は確かに物の世界のうちにありなが
らも、身体はそこにおいて対象世界が知覚されて現出するような媒体と
して捉えられているといえます。また、電話などの技術メディアを用い
る場合は、いわゆる身体的な活動が顕著でないため、精神とか意識だけ
の問題に見えるのですが、もっと身体的な活動に直結するような道具を
媒体とする場合、身体性と感覚の変容の結びつきがさらに顕著に見え
てくるである。
(3)参考文献
「1998年 インターネット講座 メディア・情報・身体─メディア論の射程」
執筆担当者:千葉 純子
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