2000年度メディア論 グループ作品
「5つのキーワードでメディア論を語る」
ネティズン(ねてぃずん・Netizen)


・定義
・「情報通信ネットワークに棲んで、智業(すなわち通識としての知識や
情報の創造と普及)にたずさわる人々」
・電子ネットワークを縦横無尽に使いこなし、ネットワークを用いての情
報の受発信(とくに発信)において能動的である。また、ネットワー
クや、それがもたらす仮想社会の自律性を重視しており、権力による統
制には断 固として抵抗する人々


・解説
アメリカのコロンビア大学のマイケル・ハウベン(Michael Hauben)という学生
が一九九三年の春ごろ、インターネットの中の人びとが、そのユーザーの
ことを“net.citizen"と呼んでいたのに気付き、これをまず通常の英語である
"Net Citizen"に呼びかえ、さらにそれを縮めて"Netizen" にし、作り出した造語
である。彼の論文「ザ・ネットとネティズンたち──ザ・ネットが人々の
生活におよぼしたインパクト」で使われたのが始まりである。
日本語訳は"智民" になる(公文俊平氏による訳)。このネティズンとは産業
革命での主役が「市民」であったのに対し、これからの情報革命の担い手を
さしてこう呼ぶ。

自身の様態を秘匿したままで局限された回路(コンピュータネットワーク)
を通してコミュニケーションを成立させ、相手の和や距離(空間的な隣接性)
を限定しない均等なコミュニケーションをとり行い、性別・年齢・国籍・
身分・体力・信条など、メッセージの発し方の巧拙以外は、資格において
いっさいの差別をもうけることなく、公私の区分を乗り越えた会話を可能に
するという特質を持つ。(公文、1996;樺山論文)

政府でも企業でもない存在としてのNGO(非政府組織)やNPO(非営利
組織)あるいは、「ボランティア」として知られ、情報通信システムを
自由自在に使いこなし、コミュニケーションやコラボレーションを積極的に
営む人々は、ネティズンとみなせる。彼らの活動の目的は「自分たちが正し
い、善い、美しい。面白いと思うものや状態を世界に実現し普及すること」
であり、そうした活動を通じて、「究極的には自らに智つまり知的影響力
の獲得と発揮を自覚的に目指しているグループも少なくない」


参考文献
メディア論講義資料より
以下2000年7月31日現在
公文俊平− 著作のページ:http://www.glocom.ac.jp/proj/kumon/paper/1996/paper96.html
公文俊平−ネティズンの時代:http://www.glocom.ac.jp/lib/kumon/96/9608/sec1/
Keitaro Uchida −インターネットの社会学:http://www.nodus.ne.jp/ipu/users/keitaro/old/contents_of_inet.html

(担当:0311999028:及川 敏郎
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