定義:暗号化と複合の過程で異なった鍵(キー)を用いる暗号方式。
解説:インターネットは研究用の目的で発達したという歴史的な理由で、善意の利用者を想定しておりセキュリティの面では非常に弱く、システムへの不正な進入や破壊、情報の盗聴や改竄などの問題がある。図1のように電子メールも覗き見される危険性がある。そのため、電子メールは、図2のように暗号化によって、覗き見から電子メールの内容を守ることが行われる。暗号には、秘密鍵暗号系と公開鍵暗号系の二種類がある。秘密鍵暗号では、暗号化と復号化に同一の鍵を使用する方法である。暗号化に使う鍵を送信側で、復号に使う鍵を受信側で持つ必要がある。
秘密鍵暗号では、暗号化に使用する鍵によって復号も出来てしまうため、暗号鍵を公開し、配布することは出来ない。暗号鍵を渡すには盗聴されない安全な通信あるいは手渡しが求められ、インターネットでの利用には向かない。これに対して公開鍵暗号では、受信側が暗号化と復号化の鍵を生成し、暗号化の鍵を公開する。復号に必要な鍵は秘密にされる。公開した暗号鍵では、復号が出来ないため、暗号鍵をインターネットで配布することができる。復号できるのは、秘密鍵である復号鍵を持つものだけである。暗号化の問題は電子メールばかりでなく、すべてのサービスのデータについて暗号化する必要がある。ユーザレベルで暗号化するのではなく、IPレベルで、安全な通信が提供される必要のあることが認識されている。
参考文献:1.和英コンピュータ用語大辞典第二版
日外アソシエーツ
1997
2.山下利之:インターネット、マルチメディアをよむ技術、
人、社会の諸相:日本出版サービス 1998
担当:曽根寛子