メディア論(担当:鈴木克明)99.8.3.グループ作品「メディア論重要キーワード5解説」
キーワード:ベストエフォート型サービス
定義:
Best Effort(最大努力)型通信。
「送信が成功するかもしれないし、しないかもしれないが、努力はする。」というタイプのやや無責任な転送方式。解説:
欧州や日本のように、システムがどちらかというと行政などに統制されて物事が運ぶように設計された方式と対照的に、自由競争であらゆるサービスについての品質は使用者が判断しなければならないアメリカ式に準じていておもしろい。
ネットワークにおいて、あるサービスのタイプが保証されない通信形態のこと。ネットワーク網全体としては最善を尽くすように努力するが、エンド・ツゥ・エンドで見ると、サービスの保証がなく、最悪の場合はまったくサービスが受けられないこともある。保証するサービスのタイプとしては、送信したデータパケットが確実に相手に届くかどうかとか、ある値以上の通信帯域幅が常に確保できるかどうか、送信したパケットがある決められた時間以内に相手に届くかどうか、優先度の高いパケットが,その他のパケットよりも先に相手に届くかどうか、信頼性、セキュリティなどがある。通信の品質は低いが、その分安価に実現することができる。
たとえば、EthernetやInternetは典型的なベストエフォート型の通信システムであり、通信するノードやトラフィックが増えてくると、パケットの消失や遅延、(実質的な)通信帯域の低下などが起こる。インターネット上のIP(Internet Protocol)やUDP(User Datagram Protocol)などはこの通信形式である。
参考文献:
「ネットワーク概論」村山 優子著 サイエンス社 1997
情報・通信略語林 http://ryakugo.incept.co.jp
(担当:権藤 広海)