メディア論(担当:鈴木克明)99.8.3.
グループ作品「メディア論重要キーワード5解説」

キーワード:ARPAネット

定義:

 アメリカ国防総省高等研究計画庁( ARPA DoD : Advanced Research Projects Agency, Department of Deffence)の助成によって作られた実験分散コンピュータネットワーク。
 ARPAは後に改編されたため、DARPAネットとなった。
 
 

解説:

 ARPAネットは各研究機関をつないだコンピュータネットワークの先駈けである。1960年代に研究が進められ、1969年に4つのノード(カルフォルニア大学ロサンゼルス校、スタンフォード研究所、カルフォルニア大学サンタバーバラ校、ユタ大学)で稼動し始めた。このネットワーク技術は後にインターネット技術でも使用された。

 しかし、その網速度は、大きく成長していくインターネットの幹線ネットワーク(backbone)としての機能としては遅くなり過ぎ、1990年にはいり、NFSnetなど他のネットワークにとって代わられ消滅していった。

 このARPAnetは、現在のInternetの起源だと言われている。ARPAnetでは、遠隔地にある複数のコンピュータが接続された。中央集中でない分散型ネットワークを導入したのは、核攻撃対策を検討したからだといわれる。

 ARPAネットの技術は、軍のネットワークであるMILNETやその欧州版のMINETにも応用され長く使われた。また、衛星パケット網のSATNET(大西洋上)とWIDEBAND(アメリカ国内)にもその技術が使われた。

 ARPAネットはパケットによるメッセージ交換し(パケット交換網)、ノード間をバーチャル・サーキット方式により結んでいた。ARPAネットのパケット交換はBBN社によって設計および管理された、後にPSN( Packet Switch Node )と呼ばれる、IMP( Interface Message Processor )という交換機によって行われた。
 
 

参考文献:

「ネットワーク概論」村山 優子著 サイエンス社 1997
情報・通信略語林 http://ryakugo.incept.co.jp



(担当:権藤 広海)