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ポケベル


定義:
ポケットベルの略称。ポケットベルとは、ポケットに入る小型の携帯用無線呼び出し装置又はそれを利用した無線呼び出しサービスの商標名のこと。単なる呼び出しだけでなく、文字伝送なども提供されている。

解説:
定義の欄でも少し触れているが、一般に呼ばれている「ポケットベル」とはNTT移動通信網(NTTドコモ)の登録商標で、正しくは「無線呼び出し」と呼ばれる。国際名称ではページャ(pager)という。

 ポケットベル(無線呼び出しサービス)は、1958年(昭和33年)にアメリカ・オハイオ州コロンバスで始められた交換手扱い方式の「ベルボーイ・サービス」がその始まり。日本では、その10年後の1968年7月に、電電公社(今のNTT東日本・西日本・コミュニケーションズ)が自動ダイヤル交換方式のサービスを700台で開始した。その後、1987年に九州ネットワークシステムが、NTT以外の事業者として無線呼出に参入第一号
を果たす。これを皮切りに新電電系各社が各地方で次々とサービスを開始。先にサービスを全国展開しているNTTと共にポケベル市場が生まれ、そのサービスは瞬く間に全国に普及した。

ポケベルサービスの基本は、連絡をとりたい人にタバコほどの大きさのポケットベル端末を持たせ、連絡をとりたいときに登録されている電話番号に電話をすると、無線でポケットベルに合図を送り呼び出すことができるというもの。最初は合図が「ピッ、ピッ、ピッ」といったような呼び出し音だけであったが、時が経つに連れ、光を点滅させたり、振動させたり、文字を表示させるディスプレイ装置付きのポケットベルが登場していった。その後、送受信がディジタル方式になり、部品のLSI化が進み、受信機の体積は、サービス開始当初に比べて8分の1とコンパクトになり、本当の意味での「ポケットベル」へと進化を遂げた。

それとともに、サービス内容も充実し、呼び出しのみから12桁までの数字等によるメッセージも送れるようになり、90年代ともなると、ビジネスのニーズに応えるだけでなく、若者層(主に中高生)のコミニケーションツールとして欠かせない存在となり、新しい若者文化を創造する上でのキーワードとなった。

今では、一般の移動体通信端末のメインはもっぱら携帯電話・PHSに完全にシフトし、ポケベルは過去の遺物として影を潜める存在になりつつある。しかし、「接続エリアがもっとも広い受信専用移動体通信端末」としての需要は未だ無くなることはなく、それを裏付けるがごとく、今ではポケベル全盛期以上にサービスの多様化が進んでいる。

<今現在の「新しい」ポケベルサービス>
・e-mailを自動でポケットベルへ転送。
・ニュース等の文字情報をポケットベルに自動配信。
・1998年7月 ポケットベルを内蔵した電光表示板を川崎駅前など3カ所に設置し、日本気象協会などと共同で、東京・川崎市でポケットベル網を利用して防災情報や気象情報などを配信する災害情報の配信実験を開始。(NTTドコモ)
・1998年9月 ポケットベルをパソコンから呼び出せるソフトとしてWindows 95対応の「Touch Call」を発売。(東京テレメッセージ)
・1999年2月 基本料金0円の完全発信者課金サービス開始。

ということで、ブームは過ぎましたがポケベルはまだまだ現役です。さぁて、僕も新聞の代わりに「ゼロ・ニード」のポケベルで毎朝ニュースチェックしようかな・・・。

参考文献
村田嘉利 中川純一「移動体データ通信がわかる本」/毎日コミュニケーションズ/1999
「multimedia ON LINE Dictionaly」
http://www.cgarts.or.jp/dictionary/
「みかかの鉄人」
http://www.first.tsukuba.ac.jp/ipu/users/urat/mikaka/

担当:石橋 晃



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