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PHS


定義:
PHS(Personal Handy-phone System)
従来のアナログ式コードレス電話をディジタル化し、屋外でも使用できるようしたもの。
端末出力は現行のコードレス電話と同程度の10mW以下だが、1つの子機端末から複数の無線基地局にアクセスできるのが特徴。
このため、現在では携帯電話のような利用の仕方が主流である。

解説:
まずは、PHSのシステムの説明から・・。
PHSは、携帯電話とは異なり、基盤ネットワークがISDN網であることが特徴です。
(一部、事業者では、基盤ネットワーク自体を独自で行っているところもありますが・・)
そのため、新規の基地局の設置も携帯電話に比べかなり簡易であります。
また、基地局自体も出力が小さいため、設置も電柱やビルの屋上で済むため、かなり安価である。
ただし、ある程度のサービスエリアのために携帯電話よりも多くの基地局が必要である。
そのため、サービスエリア自体は、携帯電話に劣るもののサービス開始当初に比べれば十分なエリアになっている。
また、PHSは使用している周波数帯が1.9GHzのため、出力の小ささもあって、建物内での使用は厳しい場合があるが、自宅の場合は中継装置、デパート等では建物自体に基地局を設置することで、かなりの部分は解消できる。

PHSの通話方式は、デジタル・TDMA(Time Division Multiple Access・時分割多元接続)ですが、携帯電話と違い、ビットレートが32Kbpsです。
音声符号化は、通信速度が速いので、ADPCMと呼ばれるゆるやかな圧縮方式を採用しています。
そのおかげで、音声品質は固定電話と同等の品質です。

PHSの弱点として、ハンドオーバーが低速のため、ハンドオーバー時に1秒前後無音になってしまうというものがありますが、現在では高速ハンドオーバー対応機が、DDIポケット・アステルグループから発売されるようになり、改善されました。
(電車でまともに使えるのよ・・ホントに。)

また、各キャリア(アステルだけ関東圏だったかな・・)とも現在では64Kbpsでのデータ通信が可能になっています。

文字情報サービスもDDIポケット・アステル(一部地域のみ)で開始されていて、中でもアステルのMOZIOサービスの充実さは、かなりのものである。
(一度、東京で使ってみれば分かります(^^;; )
また、Pメールを代表とするように、今では3キャリア間で文字メッセージの通信が可能となっている。

しかしながら、ここしばらくの加入者減のため、各社とも経営状態が厳しく、まずNTTパーソナルがNTT移動通信網に営業譲渡したのに続き、アステル東京も東京通信ネットワーク(TTnet)に合併した。
各キャリアの累積損失は、数千億円を超える状況である。
唯一の黒字を計上したことのあるDDIポケットグループも今期(1999年度)は赤字転落の見込みである。

インフラが開業時に比べ格段に良くなった現在では、いかにPHSの携帯電話に対する優位性をアピールするかがこれからの加入者を増やす意味で必要であるといえる。
(ドッチーモは、うまくいっている例かな・・・。複合端末だけど・・。)

-駄文-
東北では、DDI東北ポケットが尋常でないエリア展開を行っているために、PHSの普及率全国トップは実は宮城県だったりします。
ちなみに、DDI東北ポケットの加入者とDDI関西ポケットの加入者がほぼ同じことから、いかに東北が異常だかわかるかと思います。
うちの学校でも、DDIポケットユーザー多いですし・・(^^;;

-駄文2-
私・・・ぢつはPHS全キャリア持ってたりします(^^;;
メインは、やはりDDIポケットですが、東京に行くときはアステル必携です。
ホントにMOZIOサービスすごいですって・・・・。
その点・・・NTTは・・・最初に契約したPHSキャリアなのになぁ・・。

参考文献
杉沼浩司「移動体通信 -パーソナルモビリティが開く世界-」/日本経済新聞社/1996
電気通信事業者政策研究会 編 郵政省電気通信局電気通信事業部事業推進課 監修「パーソナルハンディホンのすべて」/クリエイト・クルーズ/1993
デジタル・クリエイターズ連絡協議会・著「マルチメディア辞典」/朝日新聞社/1994
「Kansai PHS Janker's Club」
http://www.mahoroba.ne.jp/ipu/users/tukanana/phsindex.htm
「CDMA WoW!!」
http://pegasus.cs.shinshu-u.ac.jp/ipu/users/gfujip/cdma/

担当:五十嵐 亮裕



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