カラオケ
定義
「カラオケ」とは,「空っぽオーケストラ」という言葉の略である。
その名の通り,歌の入っていない曲に合わせ,マイクを握り締めて歌うもの。
説明
カラオケは主に「カラオケボックス」と呼ばれるカラオケ専用の部屋で行う。
カラオケボック スは,(人数にもよるが)あまり広くない部屋の中にテーブルとソファ,カラオケのカタログ,リモコン,カラオケの機械, テレビがある。
なぜカラオケは日本に受け入れられたか?
その理由は,まずカラオケを受け止める基盤にあった。
日本におけるカラオケの 第1号は,1972年,神戸に登場した。
それは素人でも歌えるようなキー・テンポのカラオケテープである。
なぜ神戸で生まれ たかと言えば,神戸ではプロが伴奏して客が歌う「弾き語り」が発達していたからと考えられる また,神戸以外のところでも 60年代末から70年代初頭にかけて,マイクミキシングのついたジュークボックスなどのスピーカーから流れる音が酒場を満たしていた。
『素人のどじまん』や『歌の無い歌謡曲』など放送番組の影響も大きい。
次の理由としては,日本人の伝統的感性 にあると考えられる。
明治時代以来,西洋的音楽教育に抑圧されていた日本人の音楽的衝動がカラオケをここまで広めたのである。 日本人は抑圧によるストレスを,西洋音楽の排除ではなく,日本的な音楽を「歌う」という非破壊的・生産的活動によ
って発散させ,かつ自らの音楽を再認識した。
この,抑圧の対象(西洋的音楽教育)には友好的で,代替物(カラオケ)を要する点で非常に日本的である。
だが、近年カラオケ参加人口は停滞して来ている。
それに伴い、カラオケボックス数も減ってはいる傾向である。
参考文献
丸山圭三郎 『人はなぜ歌うのか』
カラオケ事業者協会 http://www.japan-karaoke.com/
担当者:大寺 亮