キーワード5:CD-ROM (しーでぃーろむ)
定義:
Compact Disk - Read Only Memory.
オーディオCDとほぼ同じ構造を持ち、コンピュータデータ用のCDを習慣的にCD-ROMという。
解説:
CD-ROMとオーディオCDはほぼ同じ構造を持つが、異なる点が2つある。ひとつめは回転速度である。オーディオCDの回転速度は約200rpm(最外周)〜約600rpm(最内周)だが、CD-ROMではその12倍、24倍など、高速化している。これは音楽データと異なり、データはアナログに戻す必要がなく、早く読めるほどよいからである。二つ目はデータフォーマットである。セクタの始めに音楽かデータかの識別ビットがついている。
CD-ROMは直径12.5cmの薄い円盤状の記録装置で、表面からシルク印刷(ラベル)、ラッカー層(保護膜)、アルミ反射層、ポリカーボネート基盤の順に重ねられていて、ポリカーボネート基盤にはピットと呼ばれる楕円形のくぼみがあり、ピット以外の部分をランドという。一般にCD-ROMドライブではデジタルデータの0と1をここにレーザーピックアップからの 光を当てることで読み出している。レーザーは780nmの赤外レーザーを使用しており、具体的には、読み出すためのレーザー光が当たると、ピットの部分はランドの部分よりも 暗くなるので、ピットからランド、ランドからピットに移る瞬間を0と1のデータとして認識している。CD-ROMのプログラム領域(データ記録域)は内側から外側へ向かう渦巻き状に一本につながっている記録トラックが走っていて、この総延長は約5km、渦巻きの数は約20000巻きに達する。記録容量はディスク一枚当りおおよそ650MBであるが、光学レンズの位相特性のため細密変化に追従できない限界があり、HDDには及ばない。
参考文献:
Linux CD-ROM HOWTO 日本語版: http://www.ke.ics.saitama-u.ac.jp/sato/Linux/CDROM-HOWTO/CDROM-HOWTO-2.html
(CD-ROM の技術)1994.8.21
曽我 正和(1999)ハードウェア基礎 テキスト p.39ー41
情報処理学会(1997)情報処理ハンドブック p.303ー305
(担当:中村 将規)
岩手県立大学 ソフトウェア情報学部 船生研究室
中村将規(情報システムコース 学部二年)
E-mail : masaki@infosys.soft.iwate-pu.ac.jp