プライバシー
定義
他者とは全く無関係な個人的生活領域に限定された情報。
解説
プライバシーは普通「プライバシー権」というように権利ととして使われているが、
はじめて権利と結び付けて使われたのは19世紀にサミュエル・D・ウォーレンという人が
私生活の暴露記事に悩まされて書いた「プライバシーの権利」という論文である。
彼は論文のなかでプライバシーを「ひとりにしておいてもらう権利」と定義している。
近年の著しい情報化により膨大な個人情報が処理・蓄積・検索・転送できるようになり、
プライバシーの保護について危機感を生じさせるものがある。そのなかで新しい
プライバシーの権利の考え方が生まれてきた。それは「自己に関する情報
の流れをコントロールする個人の権利」である。今までプライバシーに対して受け身
であったが、この考え方はとても積極的なものである。
情報化社会では法律や制度が整備されていても個人情報の保護は十分ではない。
そこに生きる一人ひとりが自己に関する情報に責任をもち
「自分の情報をコントロールする権利」をもっているという自覚を持たなければならない。
参考文献
堀部政男 『プライバシーと高度情報化社会』 岩波新書 1988年
担当者:小山 佳代子
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